軍服の少年

水晶

第1話 プロローグ

 なんで俺は空中にいるんだ?


 気が付いたらどういうわけか落下中である。


 空気が俺の頬をかすめていく。


 体が雲を貫き、地上が見えた、そこには島があった。


 こんな話が脳みそに流れてきた。


「ジャパリパークはいいところですよ!!」


 なぜか脳に浮かんできたこの話を聞いた時はムー大陸とかアトランティス大陸みたいな架空の存在だと思っていた。しかしこの話は妙に信憑性がある。この話を俺にしたやつはジャパリパークでパークガイドをしていたらしい。


 尤も俺は信じることは無かったが。


 タイリクオオカミが特に好きだったと聞いている。オッドアイの瞳が美しいくて見とれていたら「いい顔頂き」と言われたという話を何百回聞かされたことか。


 まるで走馬灯かのようにそんな話を聞かされた俺は地面がもうすぐそこまで迫っていることに気がついた。


 覚悟を決めた俺は、


 そっと目を閉じた時、


 意識はそこで途切れた。

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