スードラ・メモリィ

大国『ライル』。
その中心に鎮座する、巨大な屋敷。
そこに住むのは現王、リース。
彼は『奴隷』という立場が嫌いだった。
何故、力でねじ伏せても怒られないのか。
何故、大切に扱ったら憤慨されるのか。
常々彼は、それを疑問に抱えていた。
さてここで1つ、ライルには変わった法律がある。それが――――。

『5年に1度、王族は無償で奴隷を入手すること』

そしてうんざりしながら迎えた対面の時。
リースは一目見た瞬間、目が離せなかった。
稀な髪色や整った顔立ち、そして、類い希なる学習力と戦闘力の高さ。

その夜、自身の不満を受け入れてくれた彼女はこう言った。

『主人の行くところに奴隷あり――主様の願い、このボクでよければ手助けします』



これは1人の王と独りだった奴隷が作る、『世界改革』。