正論≠極論

正論と極論、これは真逆にある物。
しかしこれが“狂人の正論”と“常人の極論”となった場合、果たしてどうだろうか?

恐らく大多数の方は常人の枠に収まり、その中で様々な物を抱えながら生きている。
私達は何を以て常人とするのかについて、ある程度の共通認識を持っています。しかし狂人の定義・区分については人によって大きく異なる曖昧なものだと、本作を読んで改めて考えさせられた。

社会、ひいては集団生活を送るには不可視の型がある。その型に嵌まることが出来れば仲間として認め、そうでなければ弾く。
弾く際に意識的かどうかはわからないが、自然と仲間外れにしていく流れが生まれ、その流れが変わることは滅多にない。
そうして刻まれる溝は深く、暗いものだ。
故にその溝の深さを見ようとする者は極少数になるだろう。

そんな触れ合う機会のない溝に、貴方も触れてみませんか。

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