第8話妹達は目覚める

ピピ!ピピ!


「五月蝿い」


目覚まし時計を止めて、もう一度布団を被って夢の中へ。



「くかぁー、眠いにゃん?スンスン、、、!榛名、開けるにゃー!早くするにゃ~!」


「もう!アリーナ五月蝿い!」


「そんな事はどうでも良いにゃ!ハルニャ!さっさとドアをあけて!ご飯食べさせて!」


この駄猫、遂に本性表しましたよ。にゃ~なんて語尾使わず普通に喋ってる。出会って2年での新事実にある種の驚愕を覚えるのも面倒で、扉を開けてアリーナを部屋から出しました。


「ご飯!」


お腹減っているのか、それともお兄ちゃんのご飯が美味しいからなのか。でも今はそれよりも、七海さんと望さんを起こさなくちゃ。


「七海さん、望さん、起きてください」


「んっ、榛名。もう朝か?」


「んー!のびー!なーちゃん、おはよう!」


一回呼ぶだけで起きるお二人。友達としては何時もこうであって欲しいです。


「あ!良い臭い!佐月さんのご飯食べてくる!」


望さんが部屋から出ようとするとき、私と七海さんは急いで止めました。


「望さん!上はどうしたんです!」


「あれ?なんで裸なの?、、、」


「取りあえず、早く着ような」


「うん、なーちゃん、海ちゃん。ありがとうね」


「いえいえ、それで」


そこで部屋の扉が開きっぱなしな事に気付きました。


「朝食ができたよ、降りてきて、、え!」


「あっ」


つい、やってきたお兄ちゃんに向かって何かを投げてしまい、そこで自分の部屋の場所を思い出しました。私の部屋は階段の直ぐ近く、あれ?


「ぐっ、、、つぅあ」


「お兄ちゃん!」


「お兄さん!」


お兄さんは階段から落ちる寸前、手すりを掴み軽く頭を打つ程度で済みました。


「大丈夫ですかお兄さん」


「七海ちゃん、大丈夫さ。それよりも朝食をどうぞ。所で昼食も準備しようか?」


「ならお言葉に甘えて。出来れば望の分もお願いします」


「わかった。サンドイッチとか簡単な物になるけど、出来るだけ多く作るよ」


「ありがとうございます」


「それはそうとして、速く着替えておいでよ」


「解りました」


七海さんとお兄ちゃんの話を横で聞き、自室に戻って3人で着替えをしました。そこで謝っていない事に気付いて


「後で謝らなくちゃ」


「そうだな、榛名。私も付き合おうか?」


「なーちゃん、お兄ちゃんに悪いことしたの?駄目だよ、謝らないと」


「望さんは絶対一緒ね」


「あっはい!」


この時、自分では気付かなかったのですが、素晴らしい笑顔だったらしいです。七海さん曰く、般若が獲物を喰らう寸前。、、、心外です。


「うわぁ!流石なーちゃんのお兄ちゃん!」


「あぁ、凄いな。家庭的で格好いい、これは狙い目か?なっ、榛名?」


「二人とも、許しませんよ」


私達がリビングに来た所で、今度はお兄ちゃんと先生達の叫び声が聞こえました。


「希!お前どんだけ飲んでんだ!」


「あっ、佐月君!希ちゃんが二日酔いで」


「ぎぼぢわるぃ、、、」


「あ~あ~あ~、南雲会長は先に朝食を食べて下さい。二日酔いの薬があるので」


「「「、、、」」」


「先に食べる?」


「そうだな」


「んっ、そだね」


大人の絡みには付き合いたくない。それが良くわかった朝でした。


「待ってここで吐くな!」


「ざづぎ、ごべん」


「あー!たく!」


「佐月君大丈、、、夫」


「南雲会長、僕はシャワー浴びますので」


「私は希さんの口を洗うわ。まぁ、その、ごめんなさい」


もう、私達は関わらない。例えお兄ちゃんが酷い目にあっても。


数分後


「いやぁ!やっぱり佐月は料理うまいわよね。旦那に欲しいぐらい!南雲先輩もでしょ!」


「えっ、、、私は」


多分、二人の事を私は睨んでいたでしょうね。嫉妬心からか、怒りからかは解りませんが。まぁ、5人で食卓を囲んでいるとズボンにTシャツを羽織っただけのお兄ちゃんが入って来ました。これは流石に皆絶句していたした。


「うわぁー、なーちゃんのお兄ちゃん。凄い肉体美!触りたい!」


「望さん!」


「榛名、騒がない。望ちゃん、触るのは良いけどさっき希のゲロ浴びたばかりだよ」


「ごめんね、お兄ちゃん。やっぱムリ」


そうか、吐瀉物をお兄ちゃんは


「榛名さん?!いやね、私も悪いとは思ってるのよ。でも、しょうがないでしょ?」


「仕事あるのに二日酔いになるほうがおかしいです!」


そこから朝食を食べ終え、着替えをして完璧。アリーナも抱っこして私達は先生達の車で送って貰う事になりました。


「ねぇ、なんで私の車には誰もいないの?」


「希、諦めろ。お前、教師として向いてないんだよ」


「五月蝿いわ!もういい、皆学校で会いましょうね!」


希先生は、さっさと車で出発してしまいましたね。私達も行かなくちゃ。


「それじゃ、お兄ちゃん行ってきます!」


「いってらっしゃい」





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