第13話お兄様の本気
「さてと、、、」
12ゲージのゴム弾を装填した表向きはジェネシック・コーポレーション製のサイレンサー内蔵型ショットガンと同じくジェネシック・コーポレーションの此方もサイレンサー内蔵型ハンドガンにゴム弾を装填した物、逃げるときのスモークグレネード。スーツもアーマーを着ていますし、僕が死ぬことは無いでしょう。そして、非殺傷用bb。
「ウガァァ!」
ドン!
頭をショットガンで撃つと、よろけると言うより正に吹き飛ぶと言った方が正しい結果でした。死にはしないはずなのですが、恐らく頭蓋骨骨折か、脳内損傷。あれ?これ死ぬのでは? 正直、殺人になるかと思いましたが支社長が僕を手離してくれるとは思えませんし、第一僕はどんな手を使っても脱出しますしね。
「目の、この充血具合。麻薬を使用したみたいだ。、、、はぁ、まったく」
麻薬を使用した兵士は恐怖も怒りも感じない。ギフトがあっても無くても、これは永遠に変わらないと思う。でも、それを妹や僕の知り合いが巻き込まれて、、、!
「がぁ、」
「タツキ君!」
「るせぇ!騒ぐなぁ!さぁてガキども、、、脱げ、」
「ひっ、、、」
「俺達も溜まったもんがあってな、大将に殺さなきゃ俺達の自由って指示受けてんだ。それにな、俺たちはガキでも良いんだよ」
一人を気絶?させてすぐ怒号と悲鳴が聞こえて来ました。僕はショットガンを構えながら、声の方に向かいます。
「敵は五人、そして生徒も男女あわせて七人ですか」
下品な笑顔で少年少女達を舐め回す瞳達。正直、榛名達がいないのなで見捨てても良いのですが、終わった後になんて言われるか。
「さっさとしろ!」
もたもたするうちに、少年少女は涙を流しながら服を脱いでいきます。はぁ、面倒ですが、やるしかありません。僕はショットガンを背負い、腰のホルダーからハンドガンを取り出しました。
ガラッ!
「なん」
バン、バン、バン
「てめぇ!」
トダダダダ
「キャァァァァ」
「撃てぇ!ころせぇ!」
アサルトライフルで撃たれましたが、傷を負ってはいません。が、かなりの衝撃が腹部に来ました。
「シァァァァ!」
ナイフを構えながら襲ってきた男に対して、喉仏に本気の拳をぶつけます。一様、喉仏は弱点の一つです。呼吸が難しくなった男は苦しみながら地面を転げ回ります。
「死ねぇ!」
「あっ」
ナイフ男のせいでハンドガンを落としたようで、子供達の目の前に滑って行きます。急いでショットガンを構えようとした時、僕はアーマーの弱い位置である腕を晒してしまいました。
「うわぁぁぁぁ!」
「このぉ!ガキィィィ」
子供が兵士に突撃し、撃つのを邪魔をしています。殴られ、撃たれようとしていますが、
そんな事はさせません。
「少年、ありがとう」
僕は構えたショットガンで頭を撃ち、助けてくれた少年を起こしました。ですが、敵がいない訳ではありません。
「待てよ、待てよ、待てよっ!」
ナイフ男の足をショットガンで撃ちます。ゴム弾と言えど、激しい痛みはあります。男は
「ギィャァァァァア!」
と激しい叫び声を上げて気絶しました。しかし、これだけで終わらせません。
「君達。先に出なさい。警察が、、、いえ、僕達ジェネシック・コーポレーション警備部が必ず助けますので」
そこで僕はふと思いました。最初は経理部所属で入ったのに、ヴァルキリーズ・ナイトメア所属になったら支社長直属に。そして、今の肩書はジェネシック・コーポレーション警備部。あれ?
「あの、助けてくれてありがとうございます」
「君は、あの時男を押さえた少年ですね。君の名前は?」
「さの、、、虹村龍生です」
「覚えましょう、それが恩人の名ですからね。では、行きなさい。小さな英雄、こんど珈琲か何かをおごりましょう」
「はっ、はい!」
彼等は直ぐに昇降口に向かい、外に出ましたね。まぁ、外の警戒は警察がしていますし、撃たれても関係ないですね。
「遅いんじゃないですか?」
「あぁ、遅いな。だが、馬鹿な兵士一人殺すのに時間はかからねぇよ。こいつらはな、ソコの馬鹿とは違う」
「えぇ、違うでしょうね」
武装は傷ついているようだけど、手入れされた物に似せかけた新品。正直、ここの兵士の方が強いとすら思えます。今、目に見える能力数値ではテロリスト達よりも半数も低いです。正直、見映えだけ。そんなのが10人いたところで関係ないですよ。
「もう、つまんないな。もっと、、、こう耐えてくれると思ったのに」
武器を下ろせなどとも言わない素人にハンドガンを撃ち込み、三人を先に仕留めます。敵も勿論撃ち始めますが、胴体を撃つ限り僕は倒れる事はありません。
「不死身か!」
「撃てぇ!撃てぇ!」
ここで一個しかないスモークグレネードを僕は使ってしまいました。しまったと思いましたが、
「撃つな!撃つな!ぐぁ!」
「だせぇ!だしてくれ!」
ダダダダダダ
「うぁぁ!」
「俺は味方だ!ぐふぁ」
伏せているだけで避けられる上に、一瞬にしてパニックが発生。しかも、たった。たった1発のゴム弾をスモークの中で撃っただけで、ここまでのパニックが発生したのです。もしかすると、ド素人がテロリストを気取っただけなのかも。
「うはぁ」
銃声が消えたのを確認し、窓や扉を開けます。そこからスモークが風で消えていき、血の海が見えました。
「2クラス×3学年。1クラス30人の180+関係者で約200人。それを最小の人数で管理するなら、、、やはり体育館ですね」
僕は死体や呻き声をあげるテロリストを放置して、体育館に向かいました。移動中にショットガンとハンドガンをリロードし、戦闘準備をします。一様、各教室を確認しましたがやはり、誰もいません。
「、、、だとすると、なぜ男子まで?」
そういう事をするために連れ出したとしても
、、、あぁ、嫌どうでも良いですね。
「はぁ、どうしましょ」
見張りが外に4人。体育館の出入りを確認しています。此方はテロリスト(笑)の人とは違い、殺し屋として腕が立つとひしひし感じます。bbの出番ですね。bb、バウンド弾今回のは3回までの反射が可能な弾です。
「手前を一回で。右奥を二回、左奥の二人は両方とも三回ですが、、、」
二人は仕留めることができるでしょうが、左奥の二人が怖い。いや、仕留めることもできるか怪しいです。風で軌道が変われば、反射する角度も変わる。
「、、、もう、やるしかない」
ハンドガンの弾装をバウンドバレットにかえ、バウンドガンにします。そして、四回、引き金を引きました。
「ぐふぁ」「あがっ」「うっ、」
「どうした?、、、敵襲だ!」
「まだです!」
ショットガンを走りながら、残った左奥のテロリストにむけて撃ちます。一回、二回と激しい衝撃をうけたテロリストは気絶したようでした。
「良かった。危なかった、、、」
やっぱり外していた。本当に、危なかったです。でも、これで
「さて、親友を助けますか」
僕は正直人質とかの事は考えていなかった。
殺したら文句言われるが、別にいい。テロリストの処刑はこの際、問題じゃない。しかし、殺すためには殺傷弾が必要。敵のライフルを奪ったものの、あり得ないことが解った。ガスブローのエアガンだったのだ。ここも見掛け倒しの玩具。ミスマッチだ。もしかしたら、全員が玩具をもっているのか?ここの警備も実は見掛け倒し?
「行くしかない」
もう、面倒な事は抜きにして体育館に入ろうとすると
カチ!
小さな機械音がなり、僕は恐る恐る隙間を確認しました。案の定、扉にワイヤートラップが仕掛けてありました。既に起動していてこのまま閉じても爆発は必死。どうやら、本命のようです。
「やるしかない」
扉を蹴飛ばし、急いで後ろに下がりますが、爆発の方が早く、爆風を背中に受けてしまいました。何個かアーマーを貫通して背中に刺さった物もあるでしょう。ズキリとした痛みが確かにあります。
ドダダダダ
「容赦ないですね!」
爆煙が収まるよりも早く、敵は動き始めました。何発もの弾丸が煙を裂いて、襲ってきます。僕は、弾丸が撃たれたと思われる場所にむけて、ゴム弾を撃つだけです。
「窓か!」
僕は弾装をバウンドバレットにかえ、ハンドガンを撃ち続けながら、窓に飛び写りました。敵はバウンドガンが跳ね返った場所を撃っています。上出来です。
「は!」
ショットガンのバレルを持って、窓を警戒していたテロリストを殴り飛ばし、気絶させます。そこからはもう銃撃戦でした。人質がいるにも関わらず、僕もテロリストも弾丸を撃ち続けます。
「うぉぉぁ!」
テロリストの1人がハンドガンで突撃して来ますが、逆にそのテロリストを捕まえて、弾除けに使いました。仲間もろとも僕を殺そうとする意志が、直ぐにわかります。テロリストが死んだらそれを投げ捨て、ショットガンやバウンドガンを撃つ。それを続けて人質達の悲鳴で銃声さえも消え、弾も尽きたとき、起きているのはテロリスト二人と僕だけになりました。アサルトライフルを持ちながら、ジリジリと僕との間合いを積めてくるテロリスト。
「日本の警察は以外だな。この様なエージェントを育てているとは(英語)」
言葉は日本語ではありません。顔を隠していて解りませんが、確実に英語圏の人間です。
イギリス訛りのある英語、僕の頭はそう判断しました。
「エージェントじゃない、ただの会社員だ
(英語)」
意を決して突撃しようかと考えた時、目の前にさっき弾除けに使ったテロリストのハンドガンが落ちている事に気付きました。
(この距離なら殺れる)
「撃て」
ドダダダダ!
バン!バン!
数発のアサルトライフルの銃声とハンドガンの銃声が響きます。
「うっ、、!ぐぅ」
僕は二人を仕留めましたが、左肩と右足に弾を受けてしまいました。でも、仕事は終わらせる必要があります。
「支社長、こちら斎藤佐月です」
「どうだい?終わったかな?」
「終わりました。しかし、左肩と右足を負傷してしまい立てそうにありません」
「了解だ、日本の警察が援護に行った。君はそこで待っていなさい。私達が迎えに行こう」
支社長との通信を終え、僕は一息着きました。
「殺したの?」
「やぁ、親友。殺さなきゃ、僕が死んでたのでね」
「そう、ありがとう」
僕は親友に肩を貸してもらい、支社長達がくるまでの5分を、手当てをしながら過ごしました。
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