悪の秘密結社な兄と魔法少女な妹です。

shadow

第1話兄就活する。

「不味い、不味い、不味い!」


「お兄ちゃん、大丈夫?」


「大丈夫だよ榛名。それよりも、もう12時だよ。お休み、でないと折角の美少女が台無しだ。」


「うっ、、、お休みなさい。」


僕の名前は斎藤佐月。佐月って名前だけどれっきとした男です。西暦2005年4月10日生まれの20歳の大学2年生です。両親は10年前に他界し、それ以来妹である榛名を育ててきました。榛名は2010年5月3日生まれの15歳。美少女で!性格もよく!スポーツ万能!頭脳明晰!自慢の妹です。しかし、問題が出てきました。進学です。これまで、両親の遺産を食い潰しながら過ごして来ました。両親からは料理や会計、生活に必要な事は全て叩き込まれたつもりでしたが、見積りが甘かった。

両親は駆け落ち同然で頼れる親戚も無く、施設なんか行きたくないし、妹を行かせたくない。そんな両親の貯金は数億ほど有ったのですが、税金等で結局自由に使えるお金は残りませんでした。光熱費や水道代、学費や給食費でほぼパーです。それに、極めつけが僕の進学です。まだ、中1の妹から


「お兄ちゃんは我慢しすぎです。私は大丈夫ですから、好きな事をしてください。」


そう言われ、願っていた大学進学を決めたのですが、結果遺産は底をつきました。


「大学には退学届けを提出するとして、、、もうどんな仕事でも良い。探さないと、榛名の進学の為にも!」


榛名はなんと指定校推薦で私立聖女学院という名門お嬢様学校に行ける事になったのです。しかし、私立は公立よりもお金がかかる。奨学金なんて正直雀の涙程度しかありません。だから、高給取りな仕事を見つけるしか、、、


「まぁ、そんなの有りませんよね。」


仕事を探して4時間。結局一睡もできませんでした。


「もう、寝よう。どうしようも、、、」


ピピ、ピピ、ピピ、


目覚まし時計が6時を知らせてきました。


「くっ、榛名のお弁当を作らなくちゃ。」


僕は重い体を上げ、台所に向かいました。

幸い、今日(9月1日)大学は開校記念日で休み。僕は最後の力を振り絞って、榛名の朝食とお弁当を準備しました。


「お兄ちゃん、おはよう、、、あれ?

お兄ちゃん?」


「榛名!おはよう。今日も可愛いね、お弁当と朝食は準備してあるよ。ごめんね、お兄ちゃんはちょっと眠いから。」


「うん、あんまり無理しないでね。」


榛名に見送られ台所から出た僕は、ベッドに倒れ込んだ所で電源が着いたままのパソコンに気付きました。


「メール?」


「拝啓斎藤佐月様

この度、我がジェネシックコーポレーションにご応募頂き有り難うございます。この記入欄にある通り、面接を午後3時からこの位置で始めさせて頂きます。なお、時間通りに現れない場合は興味なしと判断し、候補からはずさせて頂きます。ご了承下さい。」


どうやら意識のないラスト30分当たりに僕はこのジェネシックコーポレーションと言う会社に応募してしまったようです。


「面接の時間は厳守ですか、場所も近い。」


僕は少し考えて、その指定された場所に行くことにしました。


「でも、その前に一眠り。」


体は、睡魔に抗う事はできませんでした。





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