第3話兄、プレゼントさせる。

「さて、では入社祝いだ。佐月君、君は免許を持っているかい?」


「一様は、大学でも何回は運転したことはあります。」


主に飲んべえの先輩を送る為なんですけどね。あまり長距離はありません。


「フムフム、では二輪車は?」


「バイクですか?バイクも取っては有りますが、、、」


「乗りなれてない?」


「はい。」


「うん、それは良かった。実はね、表としてわが社では車等も作っている。そこで、佐月君君にはこの試作バイクと黒衣を渡そう。」


「試作バイクと黒衣ですか?」


何故この組み合わせなのか正直解りません。支社長は何を考えているのでしょう?


「この試作バイクは可変式バイクでね。グランドモード、スカイモード、マリンモードがある。」


「聞く限りですと、陸海空全てに対応しているようですね。」


「その通り、スカイモードでは超小型機、陸上ではバイク、水上ではマリンバイクになる。」


「黒衣は?」


「君はヴァルキリーズナイトメアを知っているかい?」


「はい、黒衣を纏い、テロや人質などただ、殺人を目的とした事件起こさないのが有名ですね。そうか、、、」


「そうだ、ジェネシックコーポレーションは表の顔だ。裏の顔はヴァルキリーズナイトメアさ。と言っても、働いている社員は裏の顔を知らない。幹部と一部の社員が裏の顔と繋がっているだけさ。どうだい?ここまで話したらからには逃がしはしないよ。」


「どのみち就職に困ってた所です。報酬が良いんなら、喜んで悪事もしますよ。殺人以外ね。」


「安心してくれ、我々は基本的には殺しはしない。それにね、黒衣にはとある効果があってね、それは後でのお楽しみさ」


そう、ヴァルキリーズナイトメアは基本的に殺しはしない。まぁ、有事の際はどうか知りませんがね。


「では、支社長。バイクを触らせて貰えますか?ウェポンマスターの力についても頭に浮かんだので、少々実践してみたいのですが。」


「構わない、ほら。」


僕はバイクに手を触れると、すぐに乗り方が解りました。


「もしかしたら、」


僕はすぐに自分の身体を武器と思いました。すると、今まで習ったことのない格闘術が頭に浮かび、誰もいない方向に多段蹴りを繰り出していました。


「どうしたんだい、佐月君。危ないじゃないか。」


「支社長、僕のギフトは僕が武器になると考えた物が全て使える様になるようです。」


「つまり、、、ほぉでは、言語はどうだい?交渉も武器になる。そして交渉するためには言語が必要だ。」


「どうやら可能なようです。自分では日本語を話しているつもりですが、こうなるとは(ロシア語)。」


「素晴らしい他には?」


「これだと日常生活すべてを武器と考える必要がある。解るとかなり狂ってますね

(英語)。」


「仕方ないさ。ではフランス語を」


「今は16時ですか後30分で妹の中学が終わるので、このまま迎えに行っても宜しいでしょうか?(フランス語)。」


一様、国際大学には在籍していました。でも、ロシア語もフランス語も取って無いのにこんなペラペラに話せるなんて。一番驚いているのは自分自身です。


「素晴らしい。日本語を話して結構だよ。wife、僕は思わぬ拾い物をしたかもしれない。佐月君は、正真正銘の逸材だ。これは最初のお世辞じゃない。君なら直ぐにヴァルキリーズナイトメアでも、ジェネシックコーポレーションでも出世できる。」


「いえ、僕は支社長に目をかけて頂いて力を手にしました。あまり高望みはしませんよ。それよりも、、、」


「良いよ。ただし、ヘルメットとスーツ、サイドカーは着けてね。」


支社長がライダースーツ、ヘルメット、サイドカーまで用意してくれて、僕はトイレを借りてそこで着替えた。


「では、支社長、失礼します。」


「出勤場所は把握しているね。わが社は9時出勤だから、送れないでね。」


支社長と奥様に見送られ、僕はバイクを動かした。








しばらくして


「あなた、彼をどう思いますか?」


「佐月君をかい?う~ん、彼が僕達の子供ならどれ程良かったか。」


「養子縁組します?」


「いや、何でもかんでも手にいれていたらバチが当たるさ。今の所は、彼を部下にするので落ち着けるよ。」


「今は?」


「そう、今は。」

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