第11話新兵器

「わかった、わかった。お前データは取れた、これだ」


博士は僕にバイザーを渡してきました。


「そのバイザーはお前の能力の演算能力、状況把握能力、空間認識能力、脅威査定能力。これら全てをサポートする機能を付けている。先程のキルハウス様々だな」


おかしい。最初から用意してキルハウスのデータで調整した?もしそうだとしたら、、、


「陰険ジジイ貴方、あの三人の戦闘中に入れましたね?」


「違うわい!孫娘の戦闘データも入っている。キルハウスの戦闘中のデータを全てフィードバックし、ヴァルキリーズナイトメアが誇る超高性能AIヴァルキュリアが完成させた。まぁ、ヴァルキュリアを作ったワシの成果だな」


このジジイ、頭が良いのか悪いのか。


「うっ、、、」


「起きたかい?」


「嫌っ!来ないで!」


「ふぅ、ふぅ!」


「くぅぅっ」


僕は上着を最初に気絶さてた女性に、シャツは二番目に気絶させた女性にそれぞれ着せ、そして骨折等もさせた女性は所謂を持ち上げ、担ぎ上げました。


「ちょっと!放しなさい!」


「駄目です、貴女は今僕のせいで骨折している。他の二人は何とか歩ける、、、いや、ワイシャツの貴女も来て下さい。肩を貸します」


「感謝はします。妹達を殺さなかった事も含めて、、、では」


「私も支えるの手伝う」


「ししゃ、、プロフェッサー。医務室は何処です?」


「wife、一緒にね。博士、君も来たまへ」


僕のスーツを着た女性が手伝ってくれて、何とか医務室まで運べました。皆少なくとも骨に大小様々な罅が入っており、申し訳ない気持ちになりました。


「ごめんなさい、貴女達に対して手加減できていれば」


「貴方は私達を嘗めているのですか?これは日常茶飯事です。それよりも、貴方の方はどうなのです?」


「いやぁ、弾丸は全て貫通してその傷は既に回復済み、骨折や罅も完治している。ギフト様々ですね」


本当に様々です。あり得ないほどの回復力。博士にもみられましたが、僕の血液サンプルと皮膚組織のサンプルを採取するだけに留めていました。多分、プロフェッサーと奥様が凄い剣幕で博士を睨んでいたからでしょうね。素直に感謝してきました。


「つけますよ」


バイザーを着けた瞬間膨大な量の情報が頭に入って来た。激しい頭痛に苛まれ、意識が遠退くのを感じる。


(コロセ、コロセ、コロセ、コロセ、殺せ!)


「佐月君、安心したまへ。敵はいない」


「はぁはぁはぁ、、、これは」


知らないうちにショットガンを抜いた僕はプロフェッサーに銃口を向けていた。


「僕は、、、何て事を」


「いや、大丈夫だ。博士、君は僕を殺したいようだね。wife?」


「まっ待て!プロフェッサー、これは恐らく男爵の方が悪いぞ!バイザーから受ける情報処理能力が備わっていないのだから」


「そうですね、博士の言うとおりです。しかし、今は違います。プロフェッサー、これを見てください」


僕はプロフェッサーが見守るなかで、僕はクリスタルからハンドガンを選び医務室の窓に向かって最後の1発を撃った。


「どうしたんだい?」


「3、2、1、0。帰ってきました」


医務室の窓から出た弾丸は僕が数え終わると同時に帰って来た。それを手で掴み、弾丸を皆に見せた。


「計算しました。手で掴めるまで減衰する距離、何回跳弾すれば帰って来るかを」


「凄いな、つまり佐月君。君はライフル狙撃をあらやる場所から出来ると?」


「環境によります、跳弾させる物が有れば可能ですが風や劣化の程では貫通してしまいますし」


「そうか、、、実はね。とても跳弾と相性の良い弾丸を開発していたんだ。行くよ」


プロフェッサーはそう言うと僕を連れて行こうとする。


「三人共、ごめん!後で話そ」


結局、最後まで言えずに連れてこられた。奥様には何故か頭を撫でられたけど、、、あれ?人に撫でられたのって何年ぶりかな?いつも榛名を撫でてはいちけども。


「ここだ!佐月君、君に最適な弾丸だよ!」


プロフェッサーに連れてこられた場所は変わった数がかかれた弾丸がずらりと並んでいた。


「これは?」


「バウンドガンと呼称した。バウンドガンは弾がバウンド、つまり跳弾するんだ。最高は3回、でもねこれは3回跳弾させないといけないんだ。人体や柔らかい物に命中すれば問題ないのだけれど、鉄類やコンクリートだと跳ね返る。水平だと自分に弾が当たったという結果も出ている」


話を聞く限りとても癖が強い。つまり、跳ね返る弾丸でちゃんと計算しないと自分に跳ね返る。駄目じゃないか。


「取りあえず撃ってみてくれないか」


ライフルを渡されると、プロフェッサーと奥様はそそくさと防弾シールドが張られた空間に逃げた。


「ターゲットを出すよ」


ビー!


けたたましい音と共に一体の的が出てくる。布類で作った人形だ。


「1回ので頼むよ」


(1回だから1回跳弾して当てるのか)


僕はV字になるように計算しライフルを構え撃つ。弾はまるでゴムの様に壁で跳ね返り、的に命中した。


「2回で」


同じように、今度は更に角度を変えて


「3回で」


角度を深め命中させる。


「合格だ。今度は障害物をだす、跳弾は何回でも良い」


今度は地面からコンクリートの壁が現れ、的を隠す。バイザーを通して入る情報から的に最も命中する確率の高い場所に向けて撃つ。


「ミスったか」


的は隠れて命中したかはわからない。計算では命中しているけれども、実際は


「佐月君、、、素晴らしい。命中したよ」


この時、素直に喜びが声としてでた。




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