概要
この世界は昆虫の進化した存在、殻人族が地上と地底に分かれて暮らしており、別々の生活形態を築いていた。
あるとき、少女は災厄に襲われる悪夢を見る。トラウマだけを植え付けて災厄──幻影魔蟲コーカスは身を夢幻の中に隠した。
一方同じ頃、地底で少年は土竜に追いかけ回されていた。父親に命を助けられ、少年──アトラスは世界をこの目で見たいと志を持つ。
地底で父親に戦う術を習い、アトラスは学校へ通うべく地底を飛び出した。
学校で出会う仲間、ギンヤとキマリ。
そして悪夢の中の少女、ヒメカ。
アトラスはヒメカとともに悪夢へ立ち向かうこととなるが、果たしてコーカスは何を求め現世に復活したのか。
アトラスはコーカスの真意を暴くことができるのか──。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!慣れ親しんだ下地に、独特で魅力的な世界観が違和感なく積み上がる
主人公が両親達の許を離れて成長していくと言う従来の物語を彷彿とさせる展開でありながら、主人公やヒロイン含む主要なキャラクターが人間でないと言う比較的特異な設定と、それに関連する描写のお陰で全く見飽きない新鮮な世界が構築されている。
まだ数話しか拝読していない現状で、これほどのインパクトを与えられるのだから、文章と言う力にはつくづく感動させられるが、しかしそれは作者の想像力と文章力があってこそ真価を発揮するものであり、その点でこの作品は感嘆に値するものであると私は思う。
これからも拝読させて頂きたい一本であることに間違いない。 - ★★★ Excellent!!!知り尽くしているからこそ設定として活かせる、作り込まれた世界観が魅力
【物語は】
混沌とした場面から始まる。ある少女が命を狙われていた。追手から逃げようとするものの、立ち向かう力もなく追い詰められ、命を奪われてしまう。
果たして、これは夢なのか現実なのか?
それとも未来を予見しているのだろうか?
【世界観・舞台の魅力】
冒頭から始まる場面で、”黄緑色の血”というキーワードが出てくる。
あるショッキングな場面を通し、この物語の世界観や重要な人物の容姿なども伝わってくる。この場面で分かること、少なくともここに出てくる人物たちは自分たち人間とはどこか違っているという事。そう、彼らはあらすじにもあるように、”地球と異なる進化を遂げた存在”なのである。この部分で出てく…続きを読む - ★★★ Excellent!!!護れ。仲間を、少女を、己が魂の誓いを!
昆虫が人間のように進化した『殻人族』の生活する世界線のハイファンタジーです。
主人公の少年は、地中から世界を知るべく地上の学校に入学するのですが、そこで出会った少女とトラブルになり、話が進んでいきます。
殻人族は、昆虫の名残が残った部位を、己の武器として変化させ、戦います。
それがまた、個々の性格や能力が出ていてカッコいい!
また、主人公『アトラス』の出生についても、少しづつ謎が深まってきます。
その伏線が少しづつ紐解かれていくのが、王道冒険ファンタジーらしい醍醐味。
果たして、主人公らの旅路の果てには、何が待っているのか?
絶望?
破滅?
——それとも、希…続きを読む - ★★★ Excellent!!!『虫が人へと進化した世界』で描かれる、『昆虫達のファンタジー戦記』
この作品のテーマから分かるように、ありきたりなファンタジーとは全く違う、
先行者のいない完全オリジナルテーマという印象を受けました。
作品序盤では世界観と登場人物に焦点を当てたシナリオで、
30話前後のタイミングからはファンタジー戦記の本領発揮と言わんばかりのテンポの良いバトルシナリオが多く取り入れられています。
昆虫同士のバトルと聞くと、世代的に刺さる作品が脳裏に浮かび、懐かしさを感じるのですが、人のなりをしていることから、バトル要素の展開の幅に厚みが増し、
この作風だから楽しめるという要素もしっかりと詰まった作品です。
私はこの作品、全く類似作品がないということから完結まで応援…続きを読む