概要
きみを、絶対「ノケモノ」になんてしない。
ここは相互監視によって秩序が保たれる世界。「ノケモノ会議」のルールの中で人々は生きている。南天カナコもその一人だった。しかし、彼女の生活はライオンの尻尾が生えた男の子、柊レオの登場によって大きく掻き回される。
突如出現する「バケモノ」に人々は混乱し、予算を減らした「獣人委員会」は足止めがやっとの体たらく。しかし、絶望する街に突如オレンジの流れ星が煌めいた!柊レオは昔話に語られた「バケモノ」倒しのヒーロー。「ライオン紋の王子様」だったのだ!
「ライオン紋の王子様」は街の災害を一手に引き受けて活躍し、民衆は応援しメディアは称賛する。カナコは自分の側にいる少年レオと英雄としてのレオを重ね合わせ、その実像を見失ってゆく。
図書館に勤務する老翁シリウスと、彼女の後輩、そして親友までもが、次第
突如出現する「バケモノ」に人々は混乱し、予算を減らした「獣人委員会」は足止めがやっとの体たらく。しかし、絶望する街に突如オレンジの流れ星が煌めいた!柊レオは昔話に語られた「バケモノ」倒しのヒーロー。「ライオン紋の王子様」だったのだ!
「ライオン紋の王子様」は街の災害を一手に引き受けて活躍し、民衆は応援しメディアは称賛する。カナコは自分の側にいる少年レオと英雄としてのレオを重ね合わせ、その実像を見失ってゆく。
図書館に勤務する老翁シリウスと、彼女の後輩、そして親友までもが、次第
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!得体の知れない、奇妙な、しかし真摯なSF作品
近未来都市の合議制の会議によって「ノケモノ」の烙印を押され、人々から排除された、獅子の尻尾を持つ少年レオが、少女カナコと生活しながら、街に現れる「バケモノ」と呼ばれる存在と戦うというお話。
なかなか解釈しづらいこの作品を一言で表すとやはり「怪作」ということになるのでしょうが、この語彙を形容として積極的に用いるのは相応しくないように思えます。なぜかと言えば、怪作という一言に収斂させることで、小説が持つ独特の不気味さや歪さが零れ落ちてしまう気がするからです。
文章や設定はシンプルなのですが、文脈的な脱臼を狙っているような唐突でナンセンスな会話、繰り返しや改行のタイミングが独特な地の文、礼儀正…続きを読む