武力全振り皇女が拗ねるので、最強魔術師は爪を隠す。

若輩ながらヴェルメア帝国が誇る最強の魔術師が一、《狂飆》の二つ名を持つゼファーは、ある日主君たる帝国皇帝より勅命を奉ずる。
それは、今年から中立国の魔術学院に入学する第三皇女アリステラを陰に日向に護衛せよ、との主命であった。

しかし、皇女アリステラは魔術に強く憧れるもののその才に乏しく、むしろ剣術や体術に圧倒的な才を見せる前衛型皇女である。
同僚の魔術師アリアンロッド曰く、皇女としての特別扱いを厭う彼女に、帝国最強の魔術師が四六時中護衛していることがバレてしまえば、彼女が拗ねてしまう様は想像だに難くないという。

かくしてゼファーはその過分な実力を隠し、いち生徒のふりをして魔術学院に偽装入学することになるのだが――？

武力全振り皇女と、その護衛に駆り出されたはいいけれど実力を隠さないとい…続きを読む