第14話 杏 と拓人 の 新婚生活

拓人は杏から求婚され…

周りからも祝福されて結婚したのだが…

杏 本人が夫婦生活が億劫になっていた…。


「なんで女は結婚したら夫に仕えないといけないんだろ?… 」


そんな時に杏の友人が訪ねてきた…。

話をしているうちに友人がセラピーに凝ってる事がわかった…。


「そんなら俺もセラピーしてくれよ…。」

杏は気分が晴れるなら…と思って頼んでみた。


「ふう~ん☆ 先ずは呼吸法か…。」


「それで意識を頭のてっぺんから…つま先まで徐々に移動していくんやな。」


「小さい頃からの記憶の振り返りかあ…。」


杏は小さい頃から父に対する怖れや嫌悪感が有った事を再認識していった…。


「それから…この記憶を昇華させていくんやな。」


そして今度は自分自身がやってきた事の嫌な記憶も消していく…。


友人 「杏ちゃんは素直だから…効果が直ぐに出るわ。」


友人が言ったように…セラピーを受けた後は

不思議なほどリラックスして、気負う事が少なくなった気がした。


…………………………………


驚いたのは拓人である。

杏は拓人を見て…いつになく笑顔になっている。


杏の友人から杏へのセラピーが進むにつれ…

杏の幼少期に受けた心の傷が分かってきた…。


セラピストに杏は記憶を辿って話をした。


杏が5才の時に親戚を名乗るオジサンが…

杏にイタズラをして…それが杏の心の傷になっているらしい…。


セラピストは一つ一つ杏の当時の気持ちを聞きながら…共に涙して杏の心を癒していった…。


①杏の男性に対する嫌悪感…

②人を許す事の出来ない短気なところ…

③暴力に対しては暴力で立ち向かおうと するところ…

④女として振る舞う事への抵抗

⑤男性から体を触れられる事への嫌悪感


セラピストは杏に催眠療法を使った…。


「杏さん…大丈夫ですよ…誰も 貴女を苦しめる事はしません。

はい…そして 貴女の伴侶が…貴女を幸せにしてくれます。

貴女の伴侶は心から…心から信頼できる人です。」


「はい…私は大丈夫です…。

誰も私を苦しめたりしません。

私は私の伴侶によって幸せになります。

私は女です。女らしくします。

私は女として伴侶によって幸せになります。」


一日3時間ずつ…三日間続けた…。


……………………


杏は拓人と新婚旅行に出掛けた。


拓人は杏が嫌がらないようにボディータッチには細心の気遣いをした…。

拓人は杏と着かず離れずの距離を保った。


[夫婦といえども…杏ちゃんとは一から始めよう…中学生が手を繋ぐのを恥じらうように…]


拓人と杏は歩くのが疲れないうちにカフェテリアで休息した。


杏 「拓人さん…今日は私に凄く気を遣ってるでしょ……そんなに気を遣わなくても良いのよ。

私…かなり、心が穏やかになってるし、普通に夫婦として付き合ってもらって良いわよ…。」


拓人 「そうかあ…杏ちゃんの心が穏やかなんだね…杏ちゃんが幸せそうだと僕も嬉しいよ。」


「なんだか…ローティーン《10~15才》のお付き合いみたいね。 手を繋ぐのも恥ずかしいような…。」

そう言って杏はクスクス笑った…。


夕飯を食べてお風呂に入って…

宿泊は和風の部屋だった。

お布団を並べて敷いてあるのを見て杏は少し顔を赤くしている…。


「おやすみ…。」

拓人は先に布団に入った…。


「おやすみなさい…。」

少し間を置いて杏はもう一つの布団に入った。


杏は今日は何も無しかな…と思って、拓人の方を見ると…

拓人は布団に入ったまま杏の方を見ていた。

杏は少し恥ずかしくて…掛け布団を被った。


しばらくして…また拓人の方を見ると、杏を見て微笑んでた。


「ねえ…私に触れたい?」


杏は意を決して聞くと…

拓人は無言でコクコクと頷いた。


杏 「でも、いきなり…はダメよ☆」


拓人はウンウンと頷いている…。


1分…2分…3分…何かしてくるか☆

と杏は思っていたが…拓人からは何もしてこない…。


「おお~い…何かしてくれ…。」

杏は痺れをきらせて、そう言った。


拓人が起き上がったので杏は少し驚いた。


拓人は自分の寝ている布団を…杏の布団の横にくっ付けた…。

そしてモゾモゾと手を杏の布団に入れた…。

拓人の手は杏の手を探し当てた。


「こんにちは…。」

拓人はそう言って軽く手を握った。


「こんな僕ですが…宜しくお願いします…。」


そして杏ちゃんの事が…どんなに好きかを

囁いた…。


「キスしてえ…。」

杏は拓人にねだった…。


「お邪魔します…。」と言って拓人が杏の布団に滑り込むと…火照った杏の体があった。


拓人は杏を抱きしめた。

杏の吐息が乱れる……

そしてキスをする…。


拓人は浴衣の上からの杏へのタッチを長く続けた…。

浴衣の上からでも敏感な所へのタッチは杏の呼吸を乱す…。


[杏ちゃんに女の悦びを感じてもらいたい]

拓人は…そう願いながらキスとタッチを進めていく……


杏は自ら浴衣を脱ぎ捨てる……


「綺麗だよ…。」

拓人は杏にそう言うと杏の体を慈しんだ。


「もう……ダメえ☆」

そう言う杏に…


「止めようか……。」

拓人が言うと


「いやぁ…止めないで……お願い☆」

杏は喘いだ☆


拓人は杏の反応を見ながら…

まだ体が硬くなっているのが分かった。


[急ぐ必要は無いからな……。]


「素敵だったよ☆」

拓人は 杏の額にキスをした。


「ゴメンね…拓人の事を もっと愛してあげたいのに…。」


「杏ちゃんが素敵過ぎて お腹いっぱい…また今度ね。」


「うん…また明日ね。」

杏は拓人の胸に体を寄せた。


拓人と杏は三日目に めでたく結ばれた☆


…………………………………


真由美《拓人さん、大変なの……。

川蝉食品に脅迫状が送られてきて……!》


拓人と杏の新婚旅行中に この事件は起こった。


杏 「私も連れてって…。」


拓人 「いやあ…ダメさ☆

君にもしもの事があったら悲しすぎる…☆」


杏は拓人の正面に立って唇を求めた☆


拓人[幸せ過ぎるう☆]


拓人 「僕の留守を守ってね…☆」


杏は拓人に抱きついて…


「私…拓人と結婚して良かった☆

私 こんなに幸せよ☆」


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