第15話 川蝉食品 に 脅迫状 !
【《チンして ご飯160g×3パック入り》に毒入れるぞ! やめて欲しければ1000万円よこせ!】
川蝉食品の社長宛に手紙が届いた!
【川蝉食品株式会社 本社事務棟5階社長室内
高島是清社長殿】
となっている!
手紙文面の欄外に【嘘じゃないよ、本当だよ。警察に言っても良いけど、ムダだと思うよ。だって、これって完全犯罪だから。】って書いていた。
高島社長
「これはこれは…川蝉グループ本社の川蝉常務、
ご苦労様です。この脅迫状はイタズラですかね? それとも本気…? どう思われますか?」
川蝉常務(拓人)
「そうですね…まだ何とも言えませんね。
少し分析して…様子を見ましょうか?」
拓人は高島社長さえも疑わしいとして
社長と多くは話さなかった。
その日の夕方…
【これが1000万円の振込先だよ。
ウサギ銀行ピョンピョン支店
普通口座 00018184
早く振り込まないと毒入れちゃうよ 】
この手紙が社長宛に送られてきた!
拓人(グループ本社の常務)
「高島社長、対象の商品の生産ラインを直ぐにストップしてください。」
高島社長 「分かりました…」
………………………
拓人(川蝉グループ本社の常務)
[具体的な商品名といい……
社長宛の手紙の宛先が5階社長室となっていた事といい……
内部の事情に詳しい人物の仕業に違いない…]
そこへ…杏の姉の真由美が…若い男性を連れて、
拓人のいる川蝉食品社長室へ やってきた…。
真由美
「拓人さん…ご苦労様です。 厄介な仕事で すみません。
実は助っ人をお連れしたのよ…。
香川 透さん…USAのスマート大学 犯罪研究学科卒業なの。
川蝉グループ本社に入社したエリートなのよ。
IQ 200でスポーツマン…実は私の彼氏なの。」
拓人
「それは それは…有難いです。
今度の事件は…内部の犯行と思うんです。
香川さんの意見を是非聞いてみたいですよ。
何しろ専門家みたいですからね。
お姉さんの彼氏ならば…なおさら興味深いです。」
香川 「真由美さんと親しくさせていただいている香川 透です。
宜しくお願いします。
では状況から教えてください。」
拓人は一連の脅迫状の内容を香川に話した。
「なるほど…私も拓人さんと同じで内部事情に詳しい人物の犯行だと思います。
念のため監視カメラで不審な人物がいないかチェックしてみましょう。」
真由美は川蝉食品社長と挨拶を交わしていた。
「高島社長…とんだ災難でしたね。
食品に毒を入れるなんて…人間のやる事じゃ無いですよね。
可愛い子供が 美味しい美味しいって食べてくれる【チンしてご飯】に毒を入れるだなんて…
犯人は地獄に堕ちて火炙り…煮えたぎる油に入れられて…皮を剥がれて…塩を刷り込まれて…
肉を裂かれて出てきた骨に糸を通してギーコ
ギーコされて…爪をはぐられて…その一本一本にクサビを打ち込まれる…
ああ~☆ 可哀想な…犯人…
あと10秒以内に名乗り出れば…
きっと許しがあるわ…。
1~……2~……3~……4~……5~……6~……7~……8~……9~……」
高島社長 「すまん……私の……自作自演の脅迫状だったんだ!」
拓人と香川は顔を見合わせた…。
真由美 「高島社長…あなたの家庭の事は聞きました。
奥様が、酷い浪費家で…ご主人の言う事は一切聞かず…家事も全く しないし…毎夜ホストクラブ通い…
奥様の作った借金が3000万円…
2000万円は 何とかかき集めたけど
足りない1000万円を…っていう事ね。」
高島社長 「はい…どうも申し訳ありませんでした。
どのような罰も受け、どのような償いもいたします。
本当にご迷惑お掛けして申し訳ありませんでした。」
真由美 「ねえ…常務、今回何か実害があったかしら?」
常務(拓人) 「いえ、何もありません…。」
真由美 「そうなんだ…実害も無いのに、人を罰する事は出来ないわ。
私は社長の奥様のほうが心配だわ。
近いうちに会わせてちょうだい。
それから私の事はグループ本社の副社長と呼んでちょうだい。」
拓人と香川は大岡裁きを見たような気がした。
……………………
次の日に真由美は高島社長の奥様と会った。
「へっ! なんだか知らないけど…私を呼びつけて、どういう つもりなの!
もし、主人が何かしたとしても…私には関係の無いことだわ…。」
社長夫人は、吐き捨てるように言った。
真由美 「グループ本社副社長の川蝉真由美です。
いつも高島社長には尽力していただき、有り難うございます。
お名前は 何と仰るんですか?」
「照美よ…でも 私は会社の人間でも無いし、
別に詮索される必要は無いと思うんだけど。」
真由美 「照美さん…グループの社員のご家族は私の家族でもあります。
その家族の皆さんを幸せにするのが私の仕事だと思っています。
照美さんは今…幸せを感じてらっしゃいますか?」
「幸せ…そんなもの…幸せだったら夜の遊びなんか したりしないわ…。」
真由美 「そうですか…女の幸せって…愛する人がこちらを向いていてくれて…
その人との間に生まれた子供が元気でいてくれる事ですよね。」
「私なんか…仕事だって言って主人はゴルフ三昧、
息子は3年前に事故で亡くしたの。
誰にも…私の気持ちなんて、分かりゃしないわ…。」
真由美 「照美さん…私、あなたの事を幸せにして差し上げたいわ…。
ご主人が もっと貴女に興味をもって…
お互いが信頼しあって…
そうだ…ご養子さんを戴いたらどうかしら?
今からお二人で子育てされて…
仲良く3人で暮らされたら良いわ。」
真由美は そう言って照美を軽くハグしてやった。
社長夫人の照美は…
真由美にハグされて泣いた…。
「貴女って…何なのよ…どこの世界に
人の幸せを考えてくれる人がいるのよ…。
こんな私達夫婦に…どうして良くしてくれるの?
そんな経営者…見たこと無いわ…。」
………………………………
後日…高島社長と照美夫人は、
真由美に連れられて孤児院に来ていた。
「ほら…この赤ちゃんよ…。」
照美 「まあ……可愛い…。
貴方……良いわよね、こんな可愛い子…。」
高島「ああ…君が元気になってくれて…
こんな可愛い子供まで…
川蝉副社長…有り難うございます。
本当なら罰を受けるべきなのに…。
本当に…本当に有り難うございます。」
真由美は二人の嬉しそうな顔を見て
もらい泣きしていた。
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