第17話 川蝉グループ の スキャンダル

川蝉グループ汚職…のニュースが出てから…

株価は暴落☆

株主が会社に押し掛ける始末…。


社長(母)、副社長(真由美)、専務(杏)、常務(拓人)、コンサルタント(香川 透)は緊急役員会議を開いた!


社長 「今回の事件は事実無根だわ!

やっかんでいるライバル会社の仕業に違いないわ!」


副社長 「私も そう思う、そもそもロシオは共産主義で賄賂は当たり前。 なんとか合法的に話を進めていたの。 ライバル社から見たら突っ込み所満載だからね。」


専務 「常務…いえ拓人さん、この困難を乗り越えるには拓人さんの力を借りるしか無いわ!」


常務 「力を借りる…だなんて、私も川蝉グループの一族に成ったんですから、我が事ですよ。

大丈夫…手は考えてあります!」


香川 「常務さん…頼もしい限りです。

宜しくお願いいたします。」


…………………………………


香川 「拓人さん…考えている手というのは?」


拓人 「ああ…今回はハッタリだよ。

我ながら思い付かなかった…。

先ずは黒幕が誰かを突きとめなきゃね。

我々が日本海の養殖漁業の事業を進める事で困る奴等……。」


香川 「そうですね……漁業関係者か?

ロシオ政府とコネクションが有って不利益を生じる輸入業者か?

または単に川蝉グループに恨みを持つ者か?」


香川 「拓人さん…その黒幕って、どうやって調べるんですか?… 」


拓人 「うん…斬新な推理と地道な聞き込みだね。」


香川 「拓人さん…僕も一緒に調べますよ。」


「ああ…入り婿同士 頑張ろうや。」


香川 「ええ…でも僕は まだ候補ですけどね。」


「じゃあ候補君、作戦会議だ…屋根裏部屋に集合な…。」


……………………………………


香川 「え~☆ この本社ビルって屋根裏部屋なんて、有ったかなあ?」


その時、不振な男がビルの最上階をウロウロしていた。


香川 「あのう…すみません、副社長室って 何階でしたっけ?」


不審な男 「ああっ?……それは……その、俺は掃除係だから…分からないよ…。」


「お名前は?……上司の役職は?……」


男は駆け出した!


香川「そうは させるか!」


大学時代に慣らしたアメフトのタックルで廊下に男を沈めた!


「誰に指示された!」


男 「言える訳無いだろう!」


香川《拓人さん、不審人物を確保!

52階の廊下です!》



拓人 「雇い主は? それとも首謀者か?

首謀者なら打ち首獄門だよ。

あと釜茹での刑な!」


不審な男 「ふんっ! 何の事か分からないよ!」


拓人 「では…さっそく尋問してみよう!

香川君、例のモノを…。」


男はたじろいだ…。


拓人 「まだ試験段階のウソ発見器だから…

脳がパープリンになったらゴメンね…。」


否応なく男にウソ発見器がセットされる!


拓人 「はい、イエスの場合は右のボタンを1回と左のボタンを15回押してね。


それでノーの場合は右のボタンを10回と左のボタンを30回ね…。


操作が複雑でゴメンね。 それ以外の操作したら電流が流れるから……気を付けてね。」


香川 「では、早速 質問です。

日本の首都は東京です、イエスかノーか!」


男 「イエス!……あっ、操作間違えた!

【ビリビリ!】 ギャー!」


香川 「では、次の問題です!

川蝉グループの社長の名前は川蝉おたふく。」


男 「ノー!……あっ!29回しか押して無いか!

【ビリビリ!】 ギャー!」


拓人と香川は不審な男が白状しないので、

あらゆる推測によるウソ発見器を運用…。


拓人 「じゃあ…いくよ! 今回の川蝉グループのスキャンダルはでっち上げだ!」


……………? セーフ!


香川 「次…いきま~す! 今回のスキャンダルはグループ会社 内部の仕業である!」


……………? セーフ!


「まだまだ 行くよ~♪ 」


これには雇われたと みられる…この不審な男も

「分かった! 全て話すから勘弁してくれ!

いくら金を貰っても…こちらも命が惜しいからな!」


そういう訳で、この男は全てをペラペラ話し出した☆


……………………………………


真由美(本社副社長)

「拓人さん、香川さん、お疲れ様でした。」


拓人 (本社常務)

「さすが香川さんです。 本社に忍び込んできた不審な男を尋問して、全て吐かせてしまいましたよ。」


香川 (将来を有望視される真由美の彼氏)

「いえいえ…拓人さんの洞察力と行動力には感服しました。」


拓人 「それで、その男の話によると…

黒幕は水産会社でライバルの丸菱水産、

そして川蝉水産の中に内通者が…。」


香川 「ロシオのほうは賄賂が当たり前なのに、

うちがクリーン会計なので、うちにお灸を据える立場を取ったと…。」


拓人 「後は裏付けを取るだけです。

簡単には白状しないかも…しれませんが…。」


香川 「ロシオに関しては外交問題がありますから…知らぬ存ぜぬ…でしょう。」


………………………


拓人と香川は不審者として拘束した男に金をヤり、逆スパイとして 丸菱水産に送り込んだ!


丸菱水産 総務部長の川崎

「おう!円山、何か新たな情報は掴めたか?」


逆スパイの円山

「それが……セキュリティが厳しくて、ダメでした。」


川崎 「そうか……まあ良い。 あのスキャンダルのお陰で、川蝉水産の株は暴落…我々の半分の目的は果たしたようなモノだからな!

それで、新たな仕事なんだが……

川蝉グループ本社では常務と香川という男が、いろいろと我々の事を調べているらしい。

そこで君に殺ってほしい訳だ……。

報酬は5000万……もし捕まっても我々の力で

直ぐに刑務所から出してやる!

どうだ? 殺ってくれるか?」


円山は殺しと聞いて、一瞬躊躇したが、

逆スパイという事で、ここでバレてはいけないと思い…引き受けた!


…………………………


真由美(本社副社長)

「お二人に感謝しますわ。 社長からの丁寧な会見で株価も徐々に戻ってきていますから…一先ず安心です。

それにしても、憎むべきは丸菱水産ですね。

ここは、ぎゅっとお灸を据えてやりたいですね。」


拓人(本社常務)

「任せてください。 川蝉グループを怒らせたら、どうなるか…分からせてやりますよ。」


香川(将来を有望視される真由美の彼氏)

「拓人さん、お願いします。 私もご一緒したいのですが、アメリカで重要な学会のカンファレンスがあるものですから……。」


拓人「あとは 大丈夫ですよ。 お忙しいのに、ここまで手を貸してくださった事に感謝します。 香川さんの活躍の場を邪魔する事は出来ませんしね。」


……………………………


逆スパイとなった円山

《川蝉の旦那……気をつけてください。

丸菱水産の総務部長の川崎から、常務さんと香川さんに殺しの指示が出ました。》


拓人

《分かった。 情報有り難う。 それで、その川崎とか、関係する悪党達を懲らしめる方法は?》


円山

《はい、丸菱水産とロシオとの不正な取引が三日後にあるようです。 そこを押さえるのが得策かと……。

常務さんと香川さんの件は、のらりくらりと報告を濁しておきますから、ご安心を。》



それから数日後にテレビニュースで

『丸菱水産 外資系企業と不正取引!

丸菱重役等は否認!

汚職体質は丸菱グループに波及しているのか?』という見出しが流れた。


真由美 「今回の件で、話題が丸菱水産へ行って…川蝉グループの株価も安定してきました。


拓人(常務)さん、ありがとうございました。」


拓人 「そうですか、良かったです。

私も川蝉グループの一員としてグループに貢献したいと思っていますから…。

そこで提案なんですが、これからは物の時代じゃ無いと思うんです。

人と接する…人に優しい企業が望まれてると思うんです。

そこで、高齢層に優しいお助けビジネスを展開したいと思います。

よろしいでしょうか?」


真由美(副社長) 「そのコンセプトは共感出来るわ。 具体的なプランがあるかしら?」


拓人 「はい、介護のシェアは飽和状態てすが、やり方、また目先を変えると市場はあると思います。

そして新ビジネスですが……

買い物代行、代行運転、ペットの散歩などを考えています。」


真由美 「なるほど……需要はありそうね。

健康ブームだから健康産業もイケると思うわ。

その分野の起業プロジェクトチームを編成しましょう。

そして採算が取れるかどうかも…企業としては重要なところよ。」


拓人 「はい、健康産業も良いですね。」


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