第7話 人はパンのみで生きずに非ずですわ

「なるほど…玉を7個集めると望みが叶うと…きっと高価な玉なのでしょうね」

 シスターアンジェラが寄宿舎1階の図書室10畳和室にカラーボックスでコミックなるものを読んでいた。

(それにしても…読む順番が解りませんわコマ割りを追うことに慣れない庶民の書物漫画を読むのは初めては難解ですわ)

「ですが…面白い…ワクワクしますわ摩訶不思議アドベンチャー

 指でセリフをなぞりながら漫画に夢中のシスターアンジェラ。

「よぅ、ミニラ、ココだったか」

「ミニラ?」

「ゴジラの子供だ、アレ、メスなんだってな」

「知りませんわ…何一つ」

「オマエは何にもシラネェんだな」

「心外ですわ…ですが何でも知っているシスターベティに、お尋ねしたいことが?」

「なんだ?」

「カカロットさんの尻尾は、いつ生えるので現在サイヤ人襲来編しょう?」

「それか…その問題はだな…考えだしたら負けなんだ…大事なのはソコじゃねぇ」

「尻尾が無いと大猿になれないのですわ」

「猿になる設定は薄くなっているんだ…都合でな」

「でも、猿になったら10倍ですのよ」

「もう4巻くらい読むとだな~終わらないバブル経済みたいになるんだよ…頂点はフリーザ編だったな」

「ホホホっ、シスターアンジェラ、ソレでそんなに驚いていたら、超人がプロレスで戦う、コチラを見たら驚愕間違いなしですよ」

 マザーキティが皿を持って入ってきた。

「そろそろ、ファットマンのエサの時間ですよシスターベティ」

「イケね…忘れてた」

(エサ…なんだ…)


 走って出て行ったシスターベティの後をそっと付けたシスターアンジェラちっこいから目立たない


「ファットマ~ン、エサだぞ~」

「ファゴ…ふぁぁごご」

 小屋からファットマンが出てきて、皿からナニカを食べているもちろんギャグボール着用のまま

「ほれほれ、がっつくな…咽るぞ」

「ガホッ…ガホホッ」

「言わんこっちゃない…、ホレ飲み物だ」

 違う皿にプシュッと音を立てて開けた缶からナニカが注がれる。


(あの口でギャグボール何を食べて…どうやって飲んでいるのかしら?)


 シスターベティ元デリヘル嬢がゴミ箱に捨てた何かを確認するシスターアンジェラ都内有数の良家のお嬢

(ゴミ漁りなど、レディのすることではありませんけど…はしたない自覚はある)

 自分を恥じつつも、好奇心には勝てなかった意外な適応力で染まりつつあるシスターアンジェラくどいようだが、お嬢様


「コレは…」

 黄色い箱『カロリーフレンドブロック チョコ味不人気』黒い空き缶『エナジードリンク』

(咽ていたのは粉にして与えていたからだったのですわ…)


 あの穴だらけの器具から…吸引するのは至難の業ですわ…。


「マザーキティ…ファットマンのことでお話が…」

 シスターアンジェラの提案によりファットマンのエサ問題が解決した。


「お~い、ファットマン、エサだぞ~」

「フゴッ♪」


『カロリーフレンド ゼリー』 

 主食の問題は解決したが…飲料問題の解決の糸口は視えないまま…。


 影から覗き見るシスターアンジェラ割と面倒見がいい性格

(飲料の解決も急がねばなりませんわ)


 ギャグボールを外してあげようとは思わない…

 明後日の方向へ思考を巡らす13歳。

 アーメン

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