第15話 名は体を表すものですのよ

「んがぁーー‼」

 マザーキティが奇声をあげる。

 金にならなそうな話には興味を示さないのだ。

 それなのに…この見習いシスター有栖川 杏子ときたら…。

「ん?」

 シスターベティ大雑把な性格は、どうでもよさそうだ。

「部屋も空いてるしな…いぃんじゃね?」

 マザーキティ資本主義な責任者の顔を見る2人のシスター。

「……解りました…迷える子羊羊毛搾取済み見捨てたりしませんよ…神は本人は見捨てる強さを持っている

「ホントですか?」

 女性がマザーキティの手を握る。

「ただし…シスターとして務めてもらいますよ」

「シスター…具体的に何をすれば聞く相手を間違えた?」

……何を…すれば…普段が普段だけに…?」

 シスターベティ一番何もしない人が首を傾げる。

「アンタ料理は?」

「人並みに…」

「洗濯は?」

「それなりに…」

「OK‼ 合格だ」

 グッとサムズアップのシスターベティ料理は苦手

「コイツはレンチンばっかだし…マザーは焼くか煮るか炒めるかの3択だし…」

「食う寝る遊ぶの3択しかないアナタに言われたくありませんわ」

「そうですよ、シスターベティ…ファットマンの世話仕事は主に餌やり当番アナタにだけは言われたくありません」

「なんだよ、洗濯は自分でしてるぜ」

(じゃあ、なぜ彼女に聞いたんですの?)

「他人のパンティを洗うのはゴメンだからだ…が…なにか?」

(なぜ視線を逸らすのかしら?)

「解りました…」

「では…私、此処に住んでも?」

シスターベティ悲しい程の貧乳、あなた彼女のブラ目視でEcupを見るのが嫌なのですね」

「そっち?」

 彼女Ecupが驚きの表情でシスターベティ派手なだけのブラを見る。

「そんな…そんな目で私を見るなー皆の視線は胸へ向けられている‼」

 走って礼拝堂を出ていくシスターベティ空気抵抗のせいか俊足

「あの~…」

「あぁ…いや…いいんですよ、部屋は…」

「私の隣だ‼」

 礼拝堂の陰から怒鳴るシスターベティちょっと泣いてる?

「角部屋も空いてますのに?」

「ダメだ‼ そこ以外は認めねぇ」

「どこでも構いませんけど…住ませていただけるなら…グフッグフフフメンヘラの笑み

(どうも笑い方が気になりますわね…)

「では…あらっ…あなたの名前聞いてませんでしたね」

「あっ…私、一条 嬢華いちじょう じょうかと申します…グフッ」

「じょうか?」

 思わず小声で呟くシスターアンジェラありすがわ あんこ

(変な名前ですわお前もアンコのくせに)

「奇遇ね、うちにも嬢がいましたわ元風俗嬢シスターベティ

「そうね~じゃあ…アナタは今日からシスター…シスター…ジェ…ジョ?…ジエィ…ジョウ‼…いやいや…ジゴ…ジン…う~ん難しいわ」

「ジョセフィーヌとかどうですの?」

「ジョセフィーヌ~? 借金苦が~シャッキング?」

「グフッ…」

(なんで笑ってるのかしら?)

「よし‼ アナタはシスターキャシー‼ それでいいわ、主の御名において♪」

「キャシー…私キャシー?」

「マザー…キャシーってなんですの?」

「キャシーは…キャッシュレス一文無しの意らしいです」


 ほとんど悪口を名前にされた隣人を少し哀れに思う心優しきJCにアーメン。

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