第16話 海の幸ではありませんのよ
「キャシーだぁ~?」
「はい…よろしく、
「
「なんだよ、大体、なぜキャシー? キルトとか好きなの?」
「それは…」
「一文無しのキャッシュレスからだそうです…グフッ」
フォローしかけたシスターアンジェラだったが、まさかの自己申告だった。
(なんで、この方、笑ってるのかしら?)
「そもそも本名なんなんだよ?」
「
「いちじょう…じょうか…じょうじょうって…よし、今日からオマエのことジョジョって呼んでやるよ」
「彼女は
「ジョジョでもいい…グフッ…
「まさかのチョイス…一番、役に立たなさそうな
「なんですの?何パープル?」
「クククッ…グフッ…シスターベティのアレことです…」
シスターキャシーが指を差す。
「なんで私が? 私は近接パワー型だろ、どうみても」
指の先…
「はみ毛パープル‼ ウケる…グフッ…グフフフ」
シスターキヤシーのツボだったらしい。
気づいたシスターベティが捲れてたスカートを慌てて戻す。
「再起不能にしてやる‼」
(仲が良さそうですわ…)
ドタバタ宿舎でうるさい2人を無視して自室に戻るシスターアンジェラ。
洗濯物を持って1階で
(案外、面白いものですわ)
やったことがないだけで、意外に器用な
好奇心も強い、炊事、洗濯、掃除とマメに熟していく。
残念なことに料理だけは…。
「所詮、
「何とか丼さえ食わせておけば笑顔のアナタの口に合わないだけですわ」
「レトルト馬鹿にすんなよ‼」
「馬鹿をバカにしているだけですわ…味覚バカ…舌バカ…」
「はみ毛バカ…グフッ」
「はい、3バカのシスター達、これが役割分担表です、各自明日からコレに従って規則正しい生活を送るのですよ」
「黒小豆…で黒アワビ?」
「あぁそうだ、デカくて、はみ出た真珠付きだぜ」
グッと
「シスターキャシー…追い出されたいのですか?」
マザーの眉間に深いシワが刻まれている。
(デカい真珠って何のことでしょう? 埋め込むって聞いたことがありますけど…男性だけかと思ってましたわ)
その夜…奇妙な冒険を読んだシスターアンジェラ。
(私…ハーヴェストがいいですわ…使い勝手が良さそう…)
堅実派な13歳に幸あれアーメン。
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