第14話 受け入れることは難しいものですのよ

「オエッ…カハッ…」

 歯磨き中のシスターベティ歯磨きというかヤニ落としはウルサイ。

 なんだか胃に問題を抱えているようである。

「朝から不快ですわ…」

 隣でシャコシャコと子気味良い音で歯を磨くシスターアンジェラ小さな歯は虫歯ゼロ

「なんでだろうな…朝の自分って、たまに信じられないくらい臭いよな?」

「………アナタだけですわ」

「そんなことはありません!! 私の口は朝、臭います」

 マザーキティがフリスクをボリボリもう歯磨き粉だけでは不安噛みながら起きてきた。

「仁丹でも食ってろ!!」

加齢臭も消えるのかしら過剰な効果を期待?」

仁丹じゃ無理だろうな加齢と共に香水もキツくなる…」


 朝から臭い臭いとウルサイ修道院、朝の礼拝堂に向かう3人。

「ふごぁあ…あおっ…」

 ファットマンが池で水浴びしているボンテージのままだが、石鹸は支給されたらしい

(池が風呂なんですのね…獣並みですわ…)


「あん? 誰だオマエ?」

 珍しく礼拝堂に人がいる。

(24時間…開いていたんですの? セキュリティ的にどうかと思いますわ生脱ぎパンティが盗まれた理由が解った気がする)

「あっ…すいません…」

 化粧っ気のない割と美人20代後半と思われる女性が椅子座っている。

「寝てたのか?」

 ヨダレの跡を指さすシスターベティ。

「はい…グフフ…」

(なんだか笑い方が…アレですわ…メンタルがヘルスってらっしゃるわ)

「ちょっとアパートに居れなくなってしまって…人ゴミを避けて歩いていたら…此処に着いたというか…疲れて寝てました…グフッ」

「アパートに…居られない? 人ゴミを歩けない? オマエ…」

(訳ありですわ)

「人見知り?」

(バカ…)

「まぁまぁ…此処は迷える子羊を迎える場です、アナタが居たいなら、此処にいればいいのですよ…寄付金はアチラの箱よサッと募金箱を指さす

(有料?)

も書いてあります」

(まさかのシステム)

 派手で目立つ募金箱、さすがに募金箱とは書いてないが『コレで楽になるのなら金を払うことでアナタの悩みはなんですかお金が悩みなら捨てて見れば棄てることで楽になれるYOU 財布ごと入れちゃいなよ

(暗に金を入れろと?)

「現金はありません…クレカしかありません」

 財布に入ってるのは高価なブランド物10枚ほどのクレカだけだった。

(私もそんなもんですわ…キャッシュレスの時代ですわ)

「全部、限度額に達してますけど…」

「解る!! カードの魔力だろ風俗入店の理由? 非常に解る!!」

 シスターベティ借金から風俗へがギュッと女性の手を握る。

「使えないカードは必要ありません現金至上世代…」

「そうだな飛べない豚と同じだな…」

「いえ…それ以下です」

 本人を前に言いたい放題のマザーキティ現ナマ至上シスターベティ物欲一点突破

「何か困ってるんじゃありませんこと?」

 シスターアンジェラが、女性に声をかける。

「実は…」


 買い物依存で自己破産…アパートも追われて途方に暮れて、とりあえず泊っても大丈夫そうな修道院で寝ていた…と…。


「そういう事情なら。ここで暮らしたらいいですわ」


 アッサリと受け入れた懐の深い13歳…大丈夫なのか?

 アーメン

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