第13話 秘密って言葉は自分の為だけに使うものですのよ

「何が気にいらないんだろうね~、このお嬢さんは?」

『無農薬野菜販売事業』の計画は座礁していた。

 まさかの広告塔であるJCシスターの許可がおりないのだ。

「詐欺じゃないのですの!!」

「詐欺じゃありませんのよ、よく見て…私が作りましたのところを」

『私』の字に体積の95%を隠したファットマンが合成されている背景の畑も合成である

「ギリギリ詐欺じゃねぇ」

「畑もアメリカ並の大規模農場じゃありませんこと疑う余地も無い程の合成?」

「だって…ファットマンが作ってる野菜の量なんざぁたかが知れてらぁ」

「それでどうやって利益を出すんですの?」

「スーパーのれて…転売するんだ悪気のない笑顔

「そのためには…お味より…生産者のビジュアルが大事なんですのよ、シスターアンジェラ」

「まぁアレだ、パネルマジックプロフ写真は4割増しパネマジってやつだ風俗嬢は歳をとらない私もよくやったぜブログ写真は加工済み

「そうでしたの?」

 マザーキティが興味津々で聞き返す。

「あぁ、加工すればマザーもシレッと20代実年齢の半分以下だぜ」

「それで解決!!」

 マザーキティがカメラをシスターベティに渡す。

「綺麗に撮りなさいよ」

 完全に勘違いした風俗のプロフ画像参照ポーズを決めるマザーキティ。

「シスターアンジェラ…妥協策…」

 シスターベティがマジックで目線を入れて差し出してきた。

「絶対イヤですわ!!」


「何が気にいらないんだろうね~!!」

「そもそも、なんで、そんなに事業に拘ってますの?」

「なんで…?」

 まさかの13歳から基本的な質問に素で悩む大人2人。

「しいて言えば…ヒマだから?」

 シスターベティの問いかけにマザーキティがコクリと頷く。

「坊主の副業が当たり前の時代だぜ!! 巫女風俗より、まっとうな商売だと思うぜ」

「そうですよ、神に仕える身です、お天道様に顔向けできないようなことはしませんよ…農業だけに」

「しているじゃありませんこと?」

 シスターアンジェラがコンコンとファットマンの写真私の文字に見え隠れを指で突く。

「パプリカか? お野菜じゃダメなのか? んじゃ…生キャラメルでいくかなんでも生って付けりゃ売れる? 牛も届いたしよ」

「誰が作るんですの?」

「ファットマン…作れるかな~?」

「仕込めば大丈夫ですよ、あれでなかなか器用ですよ」

「じゃあ、生キャラメルで決まりだな…ブームも落ち着いたしよ、訴えては来ねぇだろ多少の不安はある

「好きになさるといいですわ…私は、自分の写真さえ使われなけば、問題ありませんわ」

 食堂から出ていくシスターアンジェラ。


「なんですの!! コレわ!!」

 立ち上がったホームページには顔全体にモザイクが掛かったシスターアンジェラがパプリカを持っていた。

『現役JC 生パン〇〇付』


「なんだよ!! 生パンくず付けるんだよ!!」


 ホームページは1週間で閉鎖された。

 束の間の広告塔となった13歳…その未来にアーメン。

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