第12話 薄利多売は自転車操業とも言いますのよ
ブモーッ…
朝は烏骨鶏が鳴き、日中はホルスタインが鳴く…修道院。
「おい、豚って油断するとイノシシに戻るんだってよ、豚からイノブタ、そしてイノシシと交配3世代で先祖返りって…危うい生物だよな?」
「……豚を飼うおつもりですの?」
窓の向こうで
(
「すいませ~ん」
珍しい来客
「は~い」
シスターアンジェラが玄関へ向かう。
ドタタタタッ…
バンッ!!
ドアが荒々しく開いた。
「どーいうことですの?」
「どうしたシスターアンジェラ? 驚いたじゃねか…マザーの生理が止まっちまうぜ…ったく」
バシッ!!
「そうですよ…シスターアンジェラ…はしたないですよ。初潮でもきましたか?」
「コレはなんですの!!」
「あ~届きましたか…なかなかいい出来ですね」
「おーっ、コレで依頼すっか?」
『ホームページデザイン案』
と書かれた書類に、シスターアンジェラが
『丹精込めて作ってま~す』
「
「いいんだよ~、どこにもオマエが作ってるなんて書いてねェだろ? 詐欺じゃねぇよコレは」
シスターベティが
「そうですよ、悪気はないんですよ…この事業計画書には…」
(事業? 営利団体ですの?)
「とにかくだ、ファットマンが作ってるなんて、うたったら…オマェ…売れるもんも売れねぇよ?」
「美少女JCなら売れると思いません?」
「嫌ですわ!! 学校で目立ちたくありませんわ、こんなことで」
「いいじゃねぇか、モデルだよ、広い意味でさ~、広告モデルから女優になるヤツもいるんだよ」
「シスターベティがやればいいじゃありませんか!!」
「それは…ちょっと…」
「マザーキティが、あからさまに嫌な顔をする。
「なんだぁ、その面は?」
「いやほら…どうみても…ねぇ? 農業やらないでしょ、この顔…股の間に生えてるキノコ狩るしか能がないって顔ですもの」
「誰のことだオイ!!」
「マザーがやればいいじゃありませんこと?」
「オメェ…そりゃ…ただの農家になっちゃうじゃねぇか…その路線は競争率が激しんだよ…
「はっ、
「キュウリとナスのときに検討だな…そりゃ」
非営利団体と思っていた修道院が、まさかの経営に乗り出そうとしてる事実を受け止めきれない13歳であった。
アーメン
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます