Metropolitan 美術館
第11話 本物は語りかけてきますのよ
某所にある修道院は、まぁまぁ自然のど真ん中に建っている。
完全寮制度の
「有栖川さんは、寮ではなく、修道院から通われているのね」
「えぇ…」
「まぁ、素晴らしいことですわ」
「ホホホ…」
「ふぉごぁぁぁ」
忙しそうなファットマンが「おかえりなさい」と頭を下げる。
現在
有栖川家からの贈り物『
新鮮な乳牛と卵を杏子お嬢様のためにと
建造途中の牛小屋、鶏小屋をチラッと見たシスターアンジェラ
「意外と器用ですわ」
「おらっ!! ちゃっちゃと運べ、豚!! 飛べない豚はただの豚だぞ!!」
椅子に座ってメガホンで怒鳴る現場監督気取りのシスターベティ。
(飛べない豚はただの豚…当然ですわ、飛べたら豚じゃありませんもの)
足を組んでタバコを吸って、怒鳴るだけの
ファットマンはギャグ
(日本の奴隷制度…此処に復活ですわ)
トンテンカン…トンテンカン…バキッ!!
昼夜を問わず、響くDIY音。
(新たなハラスメント誕生ですわ)
『DIYハラスメント』通称『Dハラ』…シスターアンジェラの脳裏にそんな言葉が過りだして4日後。
「出来たんですの?」
「出来た…完成したぜ!! いい出来だぜ」
満足げな
「今夜は竣工式だ!!」
「牛と鶏の入居を牛肉とチキンで祝うとは…斬新ですわ」
「細かいことはいいの!! 小さいことを気にし過ぎなんだよ、だから背が伸びねぇんだよ!!」
「成長期の訪れが、やや遅れているだけですわ」
「バカ野郎!! 何事も待ってるだけじゃダメなんだぜ、その手で引き寄せるんだ」
「何を? 成長期を?」
「まぁいいじゃありませんか、成長期はともかく、牛と鶏は引き寄せてもらうわけだし」
「後はブタがくれば、立派な牧場だな、おい」
「豚? 豚は…
「売るんだよ!! アグー…イベリコ…」
箸で豚肉を指すシスターベティ。
「
「夢がひろがるぜ~」
「オホホホホ…まぁ、それはさておき…シスターアンジェラ、コレ持って…はいポーズ」
カシャッ…
「もう1枚…」
カシャッ…
「OKよ、いただきましょうかね」
パプリカを持たされて、思わずカメラを向けられ笑顔でポーズを取っちゃった
竣工式の焼き肉は、美味しくいただきました。
「ファットマン、オマエの分だ」
「いけません!! それはご褒美よ!!」
ご褒美でいいんじゃないかと思う13歳…アーメン。
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