第6話 ミルクは搾りたてが一番ですわ
「オマエ…だから背が伸びねぇんだよ」
「大きなお世話ですわ、背だけ伸びても意味がありませんのよ」
見上げながらフフンッと鼻を鳴らすシスターアンジェラ。
「飲め!! 牛乳飲め!!」
「嫌っ!! ですわ!!」
牛乳嫌いのシスターアンジェラ、実家では、温めて蜂蜜を入れたり和三盆を入れたりと…まぁおよそ紙パックで牛乳を飲むなど考えたこともなかったわけで…。
「紙臭い、甘くない!! 不味いですわ!!」
実家では毎朝、調理場に牧場から直接タンクで運ばれてくるのだ。
そりゃぁ、もう、お味が違うのである。
「クソガキが…」
「まぁまぁ…シスターベティ、そういうことなら、シスターアンジェラの、お家から牛乳を頂けばよろしいではありませんか、電話すればヘリで1時間ですわ」
「ダメだ!! コイツの為にならねぇ…それ以上に、嫌だというものを無理やりにでも飲ませてェ!! 飲ませてみてぇ!!」
「シスターアンジェラ…牛乳は成長期には必要なのですよ、今から飲んでおけば、あのようにならないかもしれません」
マザーキティがシスターベティの真っ平らな胸を指さす。
「飲んで、あのように
シスターアンジェラがシスターベティの胸を指さす。
「オマエだってブラいらずだろうが!!」
「あら、私には可能性がありますわ」
「ねぇな…残念ながら…
シスターベティがビシッと右手でシスターアンジェラの胸を指さす。
「それにな…中途半端にデカくなっても、ほれ…あの有様だ」
マザーキティの胸を左手で指さす。
「なっ?」
「
不毛な三つ巴の争いが牛乳パックを中心に奇妙な均衡を保ちつつ、しばし続けられた…ベーコンエッグが冷めきった頃に均衡が崩れた。
「ワタクシ…牛乳以外の乳製品は好きですのよ」
「あら? そうなの?」
「バカ野郎!! ギニュー特戦隊の隊長抜きではベジータにすら危ういんだぞ」
「何? 何隊長ですって?」
シスターアンジェラが面喰う。
「シスターアンジェラ、宿舎1階の図書室に全巻揃ってますわよ」
「何が? 揃ってますの?」
それから牛乳の話はうやむやになり、冷めた
外に出て宿舎に戻るシスターアンジェラが目にしたものは。
『ファットマン』とペンキで書かれた
まさか…
寄宿舎の隅に設置されたファットマンの住処…
彼が許される日はくるのだろうか?
(主は時に無慈悲ですわ…)
格差社会のどん底が、自室の真下にあろうとは…
アーメン
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