第4話 ワインはディナーに付き物ですわ

「おい…オマエ…なに当たり前にワイン飲んでんだ?」

 シスターベティがシスターアンジェラのワイングラスを開けたワインボトルで突く。

「コレはノンアルコールですの」

「ノンアル~、かぁー!! 生意気…ちっこいのに生意気!!」

「なんですの、絡まないでいただきたいですわ」

「もう、すっかり仲良しで安心しました」

 穏やかに微笑むマザーキティは酔っていた…。

「ちょっと飲ませてみ」

 シスターベティがシスターアンジェラのワイングラスを取り上げようとしてテーブルに溢した。

「言わない事ではありませんわ…まったく…」

 シスターアンジェラがを取り出して拭こうとするとフワッと漂う淫靡な香り…。

「ん? あっオマエそれ、アタシのパンティじゃねぇか」

「おや? はっ!? そうでしたわ、忘れ物です…シスターベティ」

 ワインでベッチョリ濡れたシスターベティのパンティを差し出すシスターアンジェラ。

「オマエ…わざとじゃねぇよな~」

「悪気はありませんのよ」

「まぁまぁ、そういうことなら丁度いい話があります」

 ポンッと両手を合わせるマザーキティ。

「お入りなさい」

 食堂のドアを開けて入ってきた…ボンテージに包まれた小太りの生き物。

「ヒッ…」

 シスターアンジェラが小さく悲鳴をあげる。

「自己紹介なさい」

「ふぁ…ファッフォハンれす」

 口に咥えたギャグボールのせいで何を言ってるのか解らない。

 バシンッ!!

 マザーキティが乗馬用の鞭でボンテージの生き物の頬を引っ叩く。

はりがほう、ががいやふありがとう、ございます

「彼はファットマン、今日からココで面倒を見ることになりました」

 ボンテージに鎖で手足に重りを付けられたファットマンなる使用人。

「コイツは…」

「そうです、下着泥泥棒です、何でも無職で住むところもないそうで…警察と相談したのですが…しばらく更生を兼ねて使用人として、この修道院で働かせます」

「ほう…さっそく洗濯でもしてもらおうか?」

 シスターベティがベッチョリ濡れた黒いパンティをファットマンの目の前にヒョイッと放り投げる。

「フゴッ」

 ジャラッと鎖を鳴らしてパンティを拾おうとするファットマン、重りのせいで動きは緩慢だ。

 バシンッ!!

 再び、マザーキティの鞭がファットマンの手に炸裂する。

「いけません!! シスターベティ、ソレはファットマンにはご褒美です!!」

「フゴゴゴォォ…」

 パンティを取り上げられたファットマンが悲しそうに吠える。

「ファットマン、ハウス!!」

 ジャラ…ジャラと重りを付けられた鎖を鳴らしながらファットマンは自室へ戻っていった。


(怖い…なんか、この生き物ファットマン…怖いですわ)

 シスターアンジェラは今日、外の世界の怖さを知った。

 アーメン

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