第2話 レールの敷かれた人生なんてゴメンですわ

「そこでお待ちになって…拷問…いえ…懺悔室に彼を連れて行かなければなりませんの。オホホホ…」

 マザーキティの表情は愉しんでいるようで…怖かった。

(拷問…?)

「マザー…木馬の用意が整いました」

 ニタッ…

 シスターベティに愉悦の表情が浮かぶ。

「木馬発進!!」

「Noooooo…!!」

 引きずられていく彼の姿に…少しだけ同情したのだけれど…口を挟む勇気が私には無かったのでございます。


「ひょっとして…とんでもない所へ放り込まれたのではないでしょうか…」

 お母様が手配したという修道院。

 最後まで私の1人暮らしに反対したのは母であった。


 大人しく礼拝堂に腰掛けて待つこと90分…秒で5,400である。

 カツンッ…カツンッ…石段を上がってくる音がする。

「お待たせしたわね、有栖川 杏子さん」

 マザーキティは修道服に真っ赤なエナメルのハイヒールというマニアックな装いで戻ってきた。

「お話は聞いてますよ、お母様から3年間、この修道院でシスター見習いとして生活しながら中学校へ通うとか…御立派です!!」

「ありがとうございます」

「こちらこそ、多額の寄付若干、小声でをありがとうございま~す」

 マザーキティはニッコニコの笑顔であった。

「マザー…アイツどうする?」

 人差し指で、黒いパンティ生脱ぎをクルクル回しながら戻ってきたシスターベティ。

「あぁシスターベティ…こちらは有栖川…」

「アンコ…」

 私を指を差したシスターベティ無礼者

「そう杏子さんです」

「よろしくお願いいたします。シスターベティ」

「あぁ…それと…シスター見習いですから…そうですね…此処にいるときはアンジェラ…シスターアンジェラで…ねっ」

「アンコだからアンジェラ…理由が私と大分違うような気が…」

 シスターベティは不満そうだった。


「では、シスターベティ、アンジェラを部屋に案内して差し上げて、私は、あの不届きものに熟女の魅力を…主のお導きを説かなければなりませんので…また夕食の時に」

 マザーキティは足早にカツカツとヒールを鳴らして地下室へ消えた。


「さてと…じゃあ行くか、んと…シスターアンジェラ」

 クルクルと黒いパンティ生脱ぎを回しながら宿舎の方へ歩いて行く。

 スンッ…

 思わず後ろを付いて行きながら反射的に匂いを嗅ごうとする自分に気付いて恥ずかしくなった。

「あの…シスターベティ」

「なんだ?」

「ベティって?」

「由来か…」

 気になったのだ、杏子でアンジェラ…ベティって?

「ベティの由来はな~ビッチだ…ここに来る前に風俗で働いてたからな」

 ニヤッと笑ったシスターベティ。


(ここは…とんでもないところですわ…)

 13歳の少女には、なかなかの環境が整備されていたのでございます。

 アーメン。

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