第9話 人の味覚は単純ですわ
「ピーマン…ピーマン…ピーマン…パプリカ?」
呪文のように夕食を眺めながら呟く
「せめて肉を詰めてくれ!!」
焼きピーマンを指さす
「連日の宴で肉が無くなってしまいました」
マザーキティがシレッとした顔で野菜炒めを食べ始める。
「まぁ、ファットマンが育てた、お野菜ですわね」
「意外な才能でした、ファットマンに農業の才があるとは」
額に汗して働くファットマンの姿が脳裏に浮かぶシスターアンジェラ。
キラキラと光る汗をグイッと拭うファットマンの姿が…
「違ぇだろ…」
シスターベティの脳裏には、ボンテージに滲みこむ汗の腐臭を漂わせて、ギャグボールがヨダレでベタッとヌラヌラ光るファットマンの顔が浮かんでいた。
「食欲失せた!! カップラーメン食べる」
キッチンに行く
(
台所から
「野菜嫌いなのに…フレンチサラダ味ですのね」
「芋は好きなんだよ」
(サラダ味って…何味なのかしら?)
ズゾゾゾ…っとラーメンをすする
生卵を入れて、野菜炒めをラーメンの残り汁に入れて飲み干す。
「なんか…足りねぇ…」
ポテトチップスをパリパリ食べながら不満げな顔。
黙々と食事を続けるマザーキティとシスターアンジェラ。
それがシスターベティの苛立ちに拍車をかける。
「
酒も飲んでないのに絡みだすシスターベティ。
「無視なさいシスターアンジェラ…病なのです」
マザーキティの言葉空しく、
「失礼…手が滑りましたわ」
顔にピーマンをビタンッと投げつけられた
「
「
「おやめなさい!! 仮にも神に仕える身で私闘など…
「修道女なれば、それなりの方法で…決着をつけなさい」
廊下に出てしばらく……
「出来ましたよ」
廊下に三角形に並べられた8本の
「マリアは5点、キリストは10点!!」
「はい?」×2
「修道院名物、廊下でボーリング~」
ボーリングの発祥は修道院だと
「
「
ポンッとラグビーボールを手の平で弾く
「面白ぇ」
「返り討ちですわ…」
まさかの食後の運動を強いられた13歳、勝利を掴めアーメン。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます