第10話 生首



 廃墟の中を進んでいく。


 最初に見つけた部屋の扉をおっかなぎっくり開けてみると、大きな音を立てて上から生首が落ちてきた。


「うわぁ!」


 思わず悲鳴をあげて、後ずさる。


 けれど残りの二人は、特にノーリアクション。

 何だよ。

 ビビりは僕だけかよ。


 女の子は、生首に繋がれている糸をつまんでいた。

 躊躇の無い行動だった。


「扉をあけた時に落ちてくるよう、天井に仕掛けられていたみたいですね」

「そ、そうなのか」


 糸で繋がれたまま宙ぶらりんになっている生首を避けて、部屋の中へ。


 中の様子は、ごちゃごちゃしていた。

 男物のリュックや遊び道具が散乱しているといった風だ。


 礼の三人組の持ち物なのだろう。

 まだ、凄惨要素はそれほどでもない。


 きっと、やってきた三人組がここでたむろっていたという設定なんだろう。


 次の区画に向かう事にした。


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