記憶 とある少女について2
また来たね。
え、何?
これ?
このアクセサリー?
気に入っているんだ。
こうして手に持って、願いを込めれば、神様が叶えてくれる気がするから。
君も物好きだね。
一体何でここに来たの?
私に気がある?
違うでしょ?
自分のためでしょ?
そんなムキになって、否定しなくても。
ほら、それじゃ駄々っ子みたいだよ。
お、こらえたね。
はい天才、天才。すごい、すごい
慰め方が、適当だって?
そう?
ふふ、今のはちょっと面白かったかな。
ほら、もう時間だよ。
帰りなよ。
親、厳しいんでしょ?
期待に応えて、がんばって天才しなくちゃね。
うん、ばいばい。
またね。
……。
人間なんかに助けられてあげないもん。
どうしたの?
戻ってきて。
やだな。
何も言ってないよ。
ほら、ほんとにばいばい。
……。
…………。
私を最初にすくってくれたのは、よりかからせてくれたのは、人間じゃないもん。
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