エピローグ
元の場所に戻ると、受付スタッフみたいな人や他の人がいなくなっていた。
こういうのって、次の日になったほかの人間に聞いた時に発覚するもんだろ。
撤退すんの早すぎだろ!
「一応聞くけど、これも予想できてたとか言わないよな!」
「ライトを配っていたスタッフの足元に影が無かった」
「それ、入る前に教えてくれよ!」
下向いて感じ悪い空気だしてたの、そういう意味かよ。
幽霊なんて存在しない系の天才じゃないのかよ、お前。
受け入れるなよ。飛び込むなよ。
「助かった、でいいんだよな。誰もいないし」
「さあ」
「シメだけ適当だな!」
僕は辟易しながらも、そいつに問いかけた。
これで得るものがなかったら、ただの損だ。
「なあ、明日から学校に来るか」
「気が抜いたらな」
おせっかいな幽霊が出てきてはたまらないからな、と彼が小さくこぼしたのは効かない事にしておいた。
暇だからって脅かすようなあんな連中とはもう関わりたくない。
「あーあ、逃げられちゃったな」
遠ざかっていく男の子たちを見つめる女の子は、廃墟の上でため息をついた。
「神様じゃないんだから、人間なんかが苦しむ皆を助けられるわけないのにね。出会ったばかりの人間なんてそれこそ助けられるわけがない」
女の子は背後を振り返って、つぶやいた。
「証明してあげたよ。新入りさん」
気落ちしている少年を肝試しで励まそうとする話 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
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