探索前SS 「そういうの」




僕「ったく、あいつ僕ばっかり喋らせやがって。少しはうちとける努力しろよ」

女の子「友達さんってものすごく静かな人なんですね」


僕「まあ、色々あってね」

女の子「辛い事ですか?」


僕「そんな感じ。すごくオブラートに包むと、自分のせいで誰かが傷ついたんだって思い込んでる」

女の子「それは後悔してそうですね」


僕「あいつはあいつなりに一生懸命やったんだろうけど、一人の人間がやるにはちょっと重すぎたんだよな」

女の子「できる事には限りがありますからね」


僕「それにしても、お化けって時々自己主張強いよな。映画とか小説とかでも、へいきで実体化してるやついるし」

女の子「確かにそうですよね。どうしてだと思いますか?」

僕「さあ、生きてる人間が憎いとか、成り代わろうとか?」


女の子「もしかしたら寂しいとかもあるかもしれませんね。後は、いたずらしたら面白いとか」

僕「そんな事でちょっかいかけられたら、こっちはたまんないけどね。やっぱりこんなところに来るくらいだから、君は『そういうの』が好きなんだな」


女の子「はい、『そういうの』が大好きなんです」


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