第4話 イベント



 僕が住んでいる地域で行われるイベントには、様々な物がある。


 小さな町だけど、住民同士のふれあいを大切にしようという名目でちょこちょこと催し物が企画されていた。


 肝試し。

 これも、この一つだった。


 そのイベントに、友人の名前を勝手に参加利リストに書き加えておいた。


 キャンセルできる期日まで、あいつに気づかれないようにしないと。


 全盛期のあいつだったら、僕のちょっとしたしぐさで気付かれる可能性があったけれど、今はそうでもない。


 あいつの眼は節穴になった。


 だから隠し事の一つや二つできないはずはない。


 なんて、思ってたら様子を見に行った時「いつもと違う」とか言われてちょっと焦った。


「そ、そんな事ない!」


 とか言ったけど、ごまかしきれただろうか。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る