第14話 部屋一面から



 入った部屋の壁やら床には、無数の手とか足とかが生えてる。

 血の気を失った、白い人間の。

 

 あきらかに三人分じゃない数だ。


 これは三人を呪った怨霊の分とか?


 ここにも血しぶきの後が。


 手をついた跡が、扉とか窓とかにべったり。

 迷い込んだ少年はこの部屋から出たかったけど、怨霊の力で閉鎖されて出れなかった……。みたいな過去を示唆しているんだろう。


 少年はなすすべもなく、この部屋でなぶり殺しに……。


 うっ、想像したら気持ち悪くなってきた。


 女の子が扉に手をかけたが、やはりぴくりとも動かなかった。


「開かないです」

「本当だ。何か仕掛けがあるのか?」


 部屋の中を見回してみるが、特にそれらしいものはない。

 ただ内装が致命的に不気味なだけだ。


 あんまり長居していたくないから、早めに出たいんだけどな。

 

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