舞台は京都。破門された陰陽師の少女は、禁術を手にして我が道を進む 漣輪
京都で独り暮らしをする大学生、月宮静夜は、《陰陽師協会》からの命令で、とある少女を保護することになった。
竜道院舞桜。14歳。中学三年生。京都の陰陽師たちを管理する《平安陰陽学会》の名門一族、竜道院家の娘。しかし、夜の大学に現れた彼女は、突然、妖の群れに命を狙われる。少女は、京都で禁忌とされる陰陽術・憑霊術に手を染めて、一門を破門された陰陽師だった。
目次
連載中 全277話
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- 第1章 狂い咲く夜桜
- 第1話 破門された陰陽師
- 飛び込み仕事
- 暗闇のキャンパス
- 禁術
- 第2話 少女の事情
- 独り暮らしの六畳間
- 彼女の意志
- 第3話 京都、それは学生の街
- 翌朝、締め出しを喰らう
- 報告
- 学生の街、京都
- 持つべきは友人
- 新しい仕事
- 仕返し
- 第4話 京都、それは陰陽師の街
- 闇市
- 強襲
- 妖に愛された呪いの子
- 第5話 選んだもの、選べないもの
- ご褒美くらいあってもいい
- 鍛錬
- 少女の叫び
- 第6話 喧騒の夜に鈴が鳴る
- 報告、その2
- 忘年会
- 酒を飲まずとも人は酔う
- 言いたくなかった事実
- 白状するのは己の無力
- 第7話 北野天満宮の戦い
- 背中合わせ
- 掴んだ尻尾
- 強襲、再び
- 第8話 徒桜は何時散るとも知れず
- 失態
- 思わぬ刺客
- 少女の動機
- 交渉
- 第9話 思い出はいつも虚しい夜の静寂に
- お見舞い
- 少年だった頃の夢
- 静寂に朽ちる
- 動き出した影
- 第10話 狂い咲きの舞桜
- 散りゆく定め
- 決意を示す
- 黒幕
- 膿
- 暴走
- 最後の奥の手
- もう一度、月下の静寂に狂い咲く
- 元凶
- 最期の言葉
- 終話 再会
- 見覚えのある桜
- 覚悟の理由
- 第2章 年の瀬を告げる雷鳴
- 序 あれから数日
- 第1話 クリスマスの来訪者
- 日常と化した朝
- 陰陽師協会の遣い
- 年内最後の講義
- 初めての京都観光
- 挑戦
- 月宮流陰陽剣術
- ささやかなクリスマスプレゼント
- 第2話 平安陰陽学会
- 腹違いの兄君
- 京都の陰陽師たち
- 首席・京天門國彦
- 陰陽師協会の狙い
- 休憩
- 次男の想い
- 錯綜する思惑
- 裏切り
- 竜道院の姫君
- 第3話 暮れ行く年の忘れ物
- 竜道院羽衣について
- 月宮の兄妹
- 妹の疑念、兄の納得
- 栞のわがまま
- 第4話 逃げ出した場所
- 決闘の相手
- 美春の居場所
- 鳥籠
- 決闘の策略
- 第5話 夜空に輝くは月か星か
- 大晦日の夜
- 攻防
- 秘策
- 天才と努力家
- 嫉妬の大罪
- 決着
- 第6話 散りゆく花に火を灯す
- 二度目の対決
- 桜火
- 覇妖剣
- 屈辱
- 終話 敗れた者たち
- 帰宅
- 第3章 狐の恩返し
- 序 昔々、あるところに
- 第1話 狐の庭
- 春休みのご予定は?
- 康介の提案
- 狐の庭
- 雪と狐の紋様
- スノーフォックス
- 隠されている事実
- 幕間 狐の恩返し①
- 運命の出逢い
- 第2話 スキー日和に落ちる影
- 思いがけない珍客
- 闖入者
- スキーにするか、スノーボードにするか
- 邪推
- 幕間 狐の恩返し②
- 怪しい女
- 妖しい女
- 第3話 不吉な噂話
- 二つの噂
- 遭難事件
- 迅速救助
- フォックスガーデンの正体
- 幕間 狐の恩返し③
- 授かった命
- 第4話 狐の魔法
- 妖の住まう雪山
- 虎穴
- 洞窟の中には
- フォックスマジックの真実
- 宝玉の力
- 星明の提案
- 鈴の手掛かり
- 幕間 狐の恩返し④
- 思い出
- 第5話 その部屋に鍵を掛けたまま
- 混乱の吹雪
- 封印した過去
- 少女の願望
- 疑心暗鬼
- 踏み出す一歩
- 世界の裏側に潜む者
- 第6話 雪舞う夜の雷鳴
- おとり作戦
- 雪山の主
- 雷獣
- 第7話 偽りの栄光を簒奪せし妖花
- 復讐者
- 面影の残る丸眼鏡
- 知りたかった真実
- 偽りの栄光を簒奪せし妖花
- もう半分の力
- 終話 一日遅れのバースデイ
- 事件の後で
- 誕生日会
- 第4章 東風吹かば春の騒乱
- 序 春眠暁を覚えず
- 第1話 新学期
- 大学生の新歓活動
- 見世物になった陰陽師
- 春の陽気と少女の食欲
- 新しい季節に不安はつきもの
- 怪しげな新入生
- 怪しげな新入生(二人目)
- 第2話 陰陽師協会・京都支部
- 双子の忍び
- 京都支部の方針
- 特務と執行部
- 5人目のメンバー
- 支部長の憂鬱
- 特派
- 波乱の予感
- 第3話 妖の棲む部屋
- 報酬と対価
- 舞い込んだ依頼
- 事故物件の妖
- 悪霊退散
- 第4話 平安会からの苦情
- 星明からの呼び出し
- 苦情
- 大見得を切る
- 第5話 夜桜見物と会話の花
- 平野神社
- ガールズトーク
- メロンといちごと喰えない果実
- 二大禁忌
- 第6話 花に紛れて夜を駆る
- 闇夜に消える
- 五行の「水」
- 水野勝兵の実力
- 不穏な風は止まない
- 第7話 春の桜が咲き誇る日に
- 少女の学校生活
- 女子高生・舞桜
- 事故物件の再調査
- びっくり箱の中身
- 追跡と斥候
- 昼間の桜
- 横槍と義憤
- 第8話 春の虫と書いて蠢くと読む
- 緊急総会
- 印象操作
- 情報開示
- 青龍の横笛
- 雨の中の桜
- 第9話 春の長雨は降り止まない
- 降り続く雨
- 騒々しい放課後
- 騒めく雨
- 緊急救難要請
- 選択の結果
- 第10話 鎮魂の祈りは怨嗟の絶叫
- 通夜
- 現場にいた人物
- 追及
- 二つ目の質問
- 身から出た錆
- 理事会の理念
- そこにあるだけの存在
- 舞桜の怒り
- 第11話 陰陽師という仕事
- 目指した理由
- 薄暗い独房の中で
- 現実
- 月宮静夜を知っている
- 第12話 災禍の夜
- 謝罪
- 京都支部総動員
- 春の京都の百鬼夜行
- 第13話 乱れ舞う桜と疾る流水
- 円山公園の乱戦
- 押し寄せる妖
- 急造タッグ
- 波紋
- 望まない才能
- 青龍降臨
- 第14話 京都大学防衛線
- 決起
- 合流
- 戦う理由
- 平安会の矜持
- 青龍の力
- 少女が意地を張る理由
- 過去の自分を映す鏡
- 夜桜の神器
- 第15話 春の桜が舞い散る夜に
- 春の夜を舞う桜の死神
- 舞い散る夜桜の音をかき消さぬように
- 桜花繚乱
- 陰陽失墜ノ天蓋
- 黄金の竜
- 竜道院羽衣と青龍
- 春からの祝辞
- 終話 忠告
- 去りゆく者から
- 陰謀と暗躍
- 第5章 走り去る梅雨
- 序 二人の日課
- 閑話 牧原大智の大学生活
- 牧原大智の受難①
- 牧原大智の受難②
- 牧原大智の受難③
- 牧原大智の受難④
- 牧原大智の受難⑤
- 坂上康介の慧眼①
- 坂上康介の慧眼②
- 斎間夏帆の現実①
- 斎間夏帆の現実②
- 斎間夏帆の現実③
- 斎間夏帆の現実④
- 斎間夏帆の現実⑤
- 京天門葵の商売①
- 京天門葵の商売②
- 京天門葵の商売③
- 牧原大智の覚悟①
- 牧原大智の覚悟②
- 牧原大智の覚悟③
- 閑話 月宮妖花の高校生活
- 下駄箱に入ったラヴレター
- クラスメイト
- 放課後のお礼参り
- 月宮妖花の過去
- 救いの手
- ラヴレターに込められた悪意
- それは嘘であっても虚構ではない
- 第1話 京都のロミオとジュリエット
- 悲劇のカップル
- カップルからの依頼
- 交換条件
- 第2話 先祖返りの母
- 先祖返りの母
- 千羽千鶴と竜道院舞桜
- 母親の見立て
- 夜襲
- 尋問
- 暴君、降臨
- 第3話 羽衣の真偽
- 母親と娘
- 竜道院家の教育
- 羽衣がその身に纏うもの
- 第4話 理想の結婚
- 駆け落ちの是非
- 理想の結婚
- カップルの覚悟
- 気に食わない比較
- 波乱を呼ぶラヴレター
- 第5話 花嫁奪還作戦
- 出迎える小姑
- 立ち向かう花婿
- 花婿の試練
- その結婚は、きっと誰もを不幸にする。
- 鉄壁の巫女
- 開眼
- 目に入れても痛くない
- 『京天門絹江』の証明
- 小さな火もやがては大きな炎に育つ
- 京天門の母
- 終話 報酬の品
- 夏の始まり
- 第6章 真夏の雪狐
- 序 夏のイベントは盛りだくさん?
- 第1話 狐の魔法を継いだ者
- 講演会の裏事情
- 就活生のための特別講座
- 質疑応答
- 反撃
- 予想通りの結末
- インターンシップ
- 第2話 就職活動の苦難
- エントリーシートの書き方
- 白紙のエントリーシート
- 面接試験の不安
- 面接試験
- 打ちひしがれる夏
- 第3話 インターンシップ前日
- 悪友の悪戯
- 結成・月宮静夜をその気にさせ隊
- 夏の思い出
- ベッドの上の約束
おすすめレビュー
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★★★ Excellent!!!
王道純和風現代伝奇バトルノベル 滝つゆ
非常に〝上手い〟作品です。
ツンデレ風味のお嬢様ヒロイン、Sランク陰陽師の銀髪妹、陽だまりの日常を象徴する気のいい同級生たち。
少し達観したところのある主人公には乗り越えきれない過去があり、胸の奥にそこはかとない闇を秘めている。
往年のライトノベルの王道をこれでもかと抑えたストーリー構成と人物配置。違和感なく差し込まれるラッキースケベ。ラノベの教本のような隙のない展開には見事というほかありません。このまま書店に並んでいても違和感がないくらいです。
物語に一貫して通低音のように流れる〝絶対に超えられない壁に若者が立ち向かう〟という図式は、クライマックスまできちんと盛り上げてくれます。自分が変われば世界も少しずつ変えられるーーそんなロマンがあってもいい。
好きな人はとことん安心して最後まで読めるでしょう。