異界残侠伝 亀の歩
トラックの運転手を仕事にする、うだつの上がらない中年男の九条尽(くじょうつくし)――ツクシは、勤め先の従業員出入り口から異世界へ足を踏み入れてしまう。言葉すら通じないまま、異界の街並みを彷徨い歩くうち、ツクシは瀕死の老剣士から、ひと振りの日本刀を託された。
その日、そのとき、その場所から。
異世界に、白刃きらめき仁侠(おとこ)吼え、血花、咲き散り舞い狂う。
「此処で死んでもらうぜ」
これは、異世界カントレイアへ迷い込んだ、ひとりの侠(おとこ)――九条尽と、彼とともに在った魔刀の、歴史に残らざる英雄譚。
※再投稿につき、細部の手直しをしてあります。
※縦読み機能の使用を推奨します。
※内容に強い残虐描写、暴力表現、性描写、鬱展開が含まれます。
※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
目次
完結済 全224話
更新
- 一章 刃の伝承
- 一節 因果の鎖
- 二節 祭られたもの
- 三節 赤い天幕
- 四節 異界の倉庫街
- 五節 天使の来た道
- 六節 無明のなかへ
- 七節 流離いの剣士
- 八節 死体安置所
- 九節 骸骨の貴婦人
- 十節 緑鬼の女将と小鬼の番頭
- 十一節 アルバトロス曲馬団
- 十二節 永遠に呪われた冒険者
- 十三節 孤狼の矜恃
- 十四節 ゴロウ・ギラマンという男
- 二章 異形の巣
- 一節 赤髭先生の青空教室
- 二節 天使の再来
- 三節 這いずる女
- 四節 ネスト荷運びのお仕事
- 五節 零の斬撃
- 六節 奇跡の執行者
- 七節 トムの導式具細工店
- 八節 湯けむりと猫の耳
- 九節 ありがとう
- 十節 ひと殺しの夢
- 十一節 男の休日
- 十二節 琥珀色のめぐり合い
- 十三節 屍と硝煙の三日間
- 十四節 非情の世界
- 十五節 再突入
- 三章 その銘は、ひときり包丁
- 一節 三ツ首鷲の騎士
- 二節 故郷の味
- 三節 清水は冷たく、肌白く
- 四節 白金の騎士の親子
- 五節 吸血痕
- 六節 緩慢な黒い沼地
- 七節 望郷
- 八節 水晶髑髏の錫杖
- 九節 緋色の閃光
- 十節 嗅覚の追跡
- 十一節 その銘は、ひときり包丁
- 十二節 リカルド・フォン・アウフシュナイダー辺境伯(壱)
- 十三節 リカルド・フォン・アウフシュナイダー辺境伯(弐)
- 十四節 リカルド・フォン・アウフシュナイダー辺境伯(参)
- 十五節 雨上がりの夜空に
- 十六節 山男たち此処に眠る
- 十七節 厄病神
- 十八節 痛みを背負って
- 四章 姿無き殺戮の徒
- 一節 天鵞絨の上に横たわる少女
- 二節 穴倉の賞金首(壱)
- 三節 穴倉の賞金首(弐)
- 四節 それぞれの事情、もしくは情事(壱)
- 五節 それぞれの事情、もしくは情事(弐)
- 六節 それぞれの事情、もしくは情事(参)
- 七節 狼面人と武人、それに落ち武者
- 八節 姿無き殺戮の徒(壱)
- 九節 姿無き殺戮の徒(弐)
- 十節 姿無き殺戮の徒(参)
- 十一節 怒鳴る男
- 十二節 令嬢と午後のお茶を
- 十三節 抗争と和解
- 五章 香る光の処女
- 一節 西方からきた王女
- 二節 魔を追うもの
- 三節 邪視
- 四節 朝陽のなかに消えた聖女(壱)
- 五節 朝陽のなかに消えた聖女(弐)
- 六節 朝陽のなかに消えた聖女(参)
- 七節 朝陽のなかに消えた聖女(肆)
- 八節 朝陽のなかに消えた聖女(伍)
- 九節 闇をかける家政婦
- 十節 ねずみの銃と魔導式陣砲
- 十一節 野望に燃える剣(壱)
- 十二節 野望に燃える剣(弐)
- 十三節 女王の行進曲(壱)
- 十四節 女王の行進曲(弐)
- 十五節 女王の行進曲(参)
- 十六節 女王の行進曲(肆)
- 十七節 女王の行進曲(伍)
- 六章 魔刀、月下を奔る
- 一節 ゴルゴダ酒場宿の長い一日(壱)
- 二節 ゴルゴダ酒場宿の長い一日(弐)
- 三節 ゴルゴダ酒場宿の長い一日(参)
- 四節 ゴルゴダ酒場宿の長い一日(肆)
- 五節 ゴルゴダ酒場宿の長い一日(伍)
- 六節 宴のあと
- 七説 若き骸の下(壱)
- 八節 若き骸の下(弐)
- 九節 若き骸の下(参)
- 十節 冥馬を駆る
- 十一節 殺しをやるには若すぎる(壱)
- 十二節 殺しをやるには若すぎる(弐)
- 十三節 独裁者の蜘蛛(壱)
- 十四節 独裁者の蜘蛛(弐)
- 十五節 独裁者の蜘蛛(参)
- 十六節 独裁者の蜘蛛(肆)
- 十七節 独裁者の蜘蛛(伍)
- 十八節 日常に残ったもの
- 十九節 囚われびと
- 二十節 お小遣い制度
- 閑話
- 転生石(前編)
- 転生石(後編)
- 七章 人喰い鬼の王座
- 一節 邪神はスイーツがお好き
- 二節 ヤマダの相棒
- 三節 百姓三人、子供が一人
- 四節 大階段前基地(壱)
- 五節 大階段前基地(弐)
- 六節 大階段前基地(参)
- 七節 戦線崩壊
- 八節 異形の計略、ねずみの戦術
- 九節 赤い狂犬と冷めた男
- 十節 鬼哭高らかに(壱)
- 十一節 鬼哭高らかに(弐)
- 十二節 鬼哭高らかに(参)
- 十三節 鬼哭高らかに(肆)
- 十四節 鬼哭高らかに(伍)
- 十五節 鬼哭高らかに(陸)
- 十六節 その赤い唇に笑みを浮かべて
- 十七節 さらば、貴族よ(壱)
- 十八節 さらば、貴族よ(弐)
- 十九節 さらば、貴族よ(参)
- 二十節 眼に映るのは仇のみ
- 八章 闇からいずる龍人
- 一節 王座の街(壱)
- 二節 王座の街(弐)
- 三節 新たな望み(壱)
- 四節 新たな望み(弐)
- 五節 新たな望み(参)
- 六節 新たな望み(肆)
- 七節 新たな望み(伍)
- 八節 新たな望み(陸)
- 九節 新たな望み(漆)
- 十節 闇からいずる竜人(壱)
- 十一節 闇からいずる竜人(弐)
- 十二節 闇からいずる竜人(参)
- 十三節 闇からいずる竜人(肆)
- 十四節 闇からいずる竜人(伍)
- 十五節 昼下がりの決斗(壱)
- 十六節 昼下がりの決斗(弐)
- 十七節 昼下がりの決斗(参)
- 十八節 七人の探索者
- 九章 英雄に憧れて
- 一節 ネストダイバー連合結成
- 二節 小心者の大冒険(壱)
- 三節 小心者の大冒険(弐)
- 四節 サムライ・ナイトの伝説
- 五節 自称、聖魔の騎士(壱)
- 六節 自称、聖魔の騎士(弐)
- 七節 自称、聖魔の騎士(参)
- 八節 自称、聖魔の騎士(肆)
- 九節 白い巨人(壱)
- 十節 白い巨人(弐)
- 十一節 白い巨人(参)
- 十二節 白い巨人(肆)
- 十三節 白い巨人(伍)
- 十四節 白い巨人(陸)
- 十五節 白い巨人(漆)
- 十六節 飛翔機兵
- 十七節 那由他への道(壱)
- 十八節 那由他への道(弐)
- 十九節 那由他への道(参)
- 二十節 新緑の如く
- 十章 地下二五〇〇メートルの復讐劇
- 一節 彷徨する死神
- 二節 神経結束
- 三節 依頼
- 四節 優しき風の治癒
- 五節 告白
- 六節 地下二五〇〇メートルの復讐(壱)
- 七節 地下二五〇〇メートルの復讐(弐)
- 八節 地下二五〇〇メートルの復讐(参)
- 九節 地下二五〇〇メートルの復讐(肆)
- 十節 地下二五〇〇メートルの復讐(伍)
- 十一節 地下二五〇〇メートルの復讐(陸)
- 十二節 地下二五〇〇メートルの復讐(漆)
- 十三節 地下二五〇〇メートルの復讐(捌)
- 十四節 音無き制裁(壱)
- 十五節 音無き制裁(弐)
- 十六節 活人剣
- 十七節 犬を産む女
- 十八節 不道徳への支払い難い対価(壱)
- 十九節 不道徳への支払い難い対価(弐)
- 二十節 不道徳への支払い難い対価(参)
- 十一章 乙女の祈り
- 一節 屋台が並ぶ帰り道
- 二節 姫ごと秘め事(壱)
- 三節 姫ごと秘め事(弐)
- 四節 姫ごと秘め事(参)
- 五節 造物主へ指令(壱)
- 六節 造物主へ指令(弐)
- 七節 ひと恋、燃ゆる瞳
- 八節 瘴気満ちる異形のはらわた(壱)
- 九節 瘴気満ちる異形のはらわた(弐)
- 十節 瘴気満ちる異形のはらわた(参)
- 十一節 瘴気満ちる異形のはらわた(肆)
- 十二節 炎姫降臨(壱)
- 十三節 炎姫降臨(弐)
- 十四節 炎姫降臨(参)
- 十五節 刃の指令
- 十六節 花冠を抱く三人の姫君
- 十七節 知らぬ後悔、知る後悔
- 十八節 葬式日和
- 十九節 ネスト特別攻撃班(壱)
- 二十節 ネスト特別攻撃班(弐)
- 十二章 血刀の果てに
- 一節 作戦名は「行動計画・死神の刃」(壱)
- 二節 作戦名は「行動計画・死神の刃」(弐)
- 三節 作戦名は「行動計画・死神の刃」(参)
- 四節 師弟のキャッチ・ボール(壱)
- 五節 師弟のキャッチ・ボール(弐)
- 六節 師弟のキャッチ・ボール(参)
- 七節 師弟のキャッチ・ボール(肆)
- 八節 太陽の結界(壱)
- 九節 太陽の結界(弐)
- 十節 太陽の結界(参)
- 十一節 穏やかでない休日(壱)
- 十二節 穏やかでない休日(弐)
- 十三節 王都炎上(壱)
- 十四節 王都炎上(弐)
- 十五節 王都炎上(参)
- 十六節 王都炎上(肆)
- 十七節 王都炎上(伍)
- 十八節 最後の探索の夜
- 十九節 その銘は、神切虫
- 二十節 魔転生
- 二十一節 大三千世界で一等に不機嫌な男
- 二十二節 無余入滅、金剛界大曼荼羅殺人剣、那由他
- 終章 残侠の世界
- 一節 コータロ・ヴァイオレットの取材ノート
- 二節 大要塞ネルガル陥落(壱)
- 三節 大要塞ネルガル陥落(弐)
- 四節 続、コータロ・ヴァイオレットの取材ノート
- 零節、異界残侠伝、ひときり包丁。
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★★★ Excellent!!!
主人公が人間味に溢れていて感情移入してしまう @opendai
主人公である九条尽(クジョウツクシ)のキャラがはっきり確立されていてとても良い。クズで強がりで人間味に溢れたツクシの魅力にのめり込んで、数日かけて一気に読んでしまった。他の登場人物も男女問わず魅力的で、一人一人が波瀾万丈な人生の中で生き生きとしている。
派手で無駄な設定が無く洗練された文章で、話のメリハリもついていてとても読み易い。
過激な表現がネットの異世界系小説にしては多いと言えるが、それだけ刺激的でホットな作品だとも言える。感情をかなり揺さぶられたし、その分読み応えがあった。