最強系能力を持たず、ほぼ剣の腕のみで生き抜いていく物語。
主人公はごく普通の現代日本人らしい男。強い敵には恐怖し、体がすくむし、思い悩む。日本人が異世界に突然放り込まれたらこうなるのが普通だろう、という男なので、最初はイラつくかもしれない。
そんな人が、段々とこの世界に馴染み、強くなり、敵を倒せるように仲間と共に成長していく様は興味深く、面白いです。それを支える文章の巧みさもあり、危機的状況に陥るとハラハラします。
ただ、とにかく人が死にます。時々恋愛要素もあるけど、多対多の戦闘が多くを占めるのもあり、モブ的味方は死にまくる。一領主の差配で動かせる人数を明らか越えるんじゃない?て数で死んでる。危機的状況の描写は上手いけれど、こうも死が溢れていると、ちょっと一気読みはきつい。最強系物語ではないから致し方ない部分もあるとは思いますけどね。全体的に重いので、シリアス展開好きならお勧めです。