時代遅れの鯨達

時は2001年の初秋、関東北進会系暴力団の組員・北原修司は、十年間の服役を経て再び社会に舞い戻る。だが修司が新たに目にしたそれは、服役中に執行された“暴力団新法”により疲弊した極道社会。

かつて義理人情を尊ぶ生き方をしていた彼らは、いた仕方無くにせよ詐欺麻薬等でカタギ衆を食い物にして組の存続を図る現状をやらせない思いで眺めていた。

抗争専門の武闘派で名を馳せていた修司も、この世知辛い渡世で懸命に組の存続に尽くしてくれた弟分“加納秀明”の顔を立てて、逞しく生きる決意をする。

そんな中、突如現れた新興勢力の出現で始まった時代のうねりは、時代遅れだった彼等にこの上無い活躍の場を与える。