彷徨う“孤狼”とメカニック

　巨大なほぼ円形の大陸が一つだけ浮かんでいる惑星があった。この惑星では古来よりマナ(魔力)を持った人間が、箒などの棒状の物で空を飛んでいて、物流や交流を担っていた。

　――そして、その優れた機動力は兵器として活用される様になる。

　時は流れて、マナを凝縮して物質化する技術と、それによって生成された液体や固体を利用した魔道エンジン、浮遊装置・『リフター』と推進装置・『ブースター』を搭載した、小型浮遊戦闘艦『ファイター』・大型浮遊戦闘艦『シップ』の発明と共に、長らく続いた群雄割拠時代が終わり、３大勢力に集束していた。

　３大勢力は『連邦』、『公国連合』、『共和国』と呼称され、大陸統一のために熾烈な三つ巴の戦いを繰り広げていた。

　これはそんな世界の片隅で出会った、『連邦』所属の痛みを抱え…続きを読む