キャロル・エンド・ナウ

作者 鯖田邦吉

12

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★★★ Excellent!!!

※以下、若干ネタバレを含みます。

械獣や巨神というキーワードに目を引かれますが、本作で注目すべきは『人間』の描写やあり方であると思います。

械獣という脅威に対して、特攻の道具として使い捨てるのを厭わない者たち。
特攻の道具、ヒューマンクラッカーにされた事に苦しみ絶望する子供達。
そんな子供に対して力になろうとする大人。

特に苦しみのあまり多重人格になった少女と巨神に変身するベルトに改造されながらも少女に力になろうとする辺村の姿とやりとりに心打たれます

そして敵である械獣の中身はかつて人間の都合のいい道具だった人造人間であるという事実。

人間の悪い部分も良い部分も描写される本作はそれだけに深みや厚みのある面白さがあります、ぜひ御一読ください。

★★★ Excellent!!!

設定がよく練られていて世界観の構築のレベルが高い。SF小説としては十分なほどの設定量だと思う。それゆえ人によっては難解に感じてしまうかもしれないが、個人的には解説が丁寧で、これだけ練られた設定があるのに読みやすく感じた。

それに序盤から畳みかけるような話の展開で退屈しないで読めた。SFというと重かったり暗かったりする内容になりがちなのに、この作品は軽快な会話文がところどころに挟まれていてそれを読んで小休憩できたのも良かった。

序盤から謎があって、それも物語にのめり込めた一つの要因だったと思う。

★★★ Excellent!!!

クトゥルー神話と巨大ヒーローの相性はいい。クトゥルー神話と巨大ロボと同じくらいいい。
その魅力的な組み合わせに加え、クトゥルー神話と巨大ヒーローの要素を細かく拾う綿密なにやりとする諸設定諸描写。
そこにポストアポカリプスが加わって、主人公達の状態もあいまって実にハードなSFとしての魅力が、クトゥルー神話の設定とマッチした形で構築されています。

★★★ Excellent!!!

彼はいわゆる、世界と言う名の物語で主人公ではなかった。
誰にとってもモブだった、主人公達の共有する脇役。
勿論、彼の人生では彼が主人公だが、ヒロインも親友もいない。
だが、そんな主人公?が世界を救う鍵となる!
敵は宇宙より飛来した、謎の敵性生命体!
さあ、この物語に相応しいお約束の言葉を添えよう。

読んでくれ、この星の明日のために!
目撃せよ、新たなヒーローの誕生を!