概要
二つの鐘、鳴らして交わる二つの世界。
町田圭介は、修学旅行で訪れた京都で、たまたま立ち寄った小さなお寺で『送り鐘』という梵鐘を見つけた。お盆の時に『迎え鐘』という鐘で迎えたご先祖を、迷わずあの世へと送る為にその鐘を鳴らすのだそうだ。
その鐘を見た町田の友人は、冗談交じりに言う。「今この鐘を鳴らしたら、俺たちがあの世に送られる」と。
それを聞いて、町田は一人の少女を思い浮かべる。一週間前に事故で亡くなったクラスメイトを。事故の後、突如として皆の記憶から、この世界から存在が消えたその少女に、再会できるのではないか――という思いを抱く。だがそんな事はありえない。だからせめて秘めた想いだけでも届いて欲しいと願い、町田は鐘を撞いた。そして迷い込んでしまう、もう一つの世界に。
その鐘を見た町田の友人は、冗談交じりに言う。「今この鐘を鳴らしたら、俺たちがあの世に送られる」と。
それを聞いて、町田は一人の少女を思い浮かべる。一週間前に事故で亡くなったクラスメイトを。事故の後、突如として皆の記憶から、この世界から存在が消えたその少女に、再会できるのではないか――という思いを抱く。だがそんな事はありえない。だからせめて秘めた想いだけでも届いて欲しいと願い、町田は鐘を撞いた。そして迷い込んでしまう、もう一つの世界に。
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