黄昏の街

「そこは、本当に不思議な街だった。朝も、昼も、夜もこない。ずっと夕焼けが広がっている……そんな場所に、俺はいたんだ」

アイコはカズトから奇妙な話を聞き、共にその不思議な世界に向かう事にした。

そこには幸せそうに暮らす影達と、嘆き苦しむ影達がいた。

橙色の世界を見下ろす、大きく立派な神の樹。ちりんの小さく鈴の音を鳴らす、狐面の不思議な少年。人の形を保ったままの陽気な中年男性。

はたして彼らは敵なのか、味方なのか。
この世界は悪なのか、善なのか。

――これは、美しくも残酷で、優しくも切ない物語だ。


＊


過去の私は、いつも孤独を感じていました。

現在の私は、いつだって彼の事だけを想っていました。

そして、未来の私はきっと、前だけを向いて歩いていくのでしょう。


＊


過去…続きを読む