概要
偽史・超訳「執権物語」。
私は見者であるが、体は演者であることを余儀なくされている。この体は私だけのものではなく、そのうちで六人の「私」と一個の「敵」とともにある。
私の出生とともに私たちは七人であったから、それが常態だと思いこんで私たちは育った。それが異質であることには、長じてから気づかされた。私たちと他者とはちがうのだ、と。
私たち自身を主題にして綴ることに、意義がある。それを自覚した私の心は躍った。詩的欲求をみたすべく、私はこの文を綴る。眠るあいだに詩句を練り、体に顕われて筆を執る。少しづつ少しづつ過去を省み積みかさね、いまを書きとめながら未来へと繋がる。
私のねがいはただひとつ。現世、もしくはのちの世に。この詩文が人の目に触れること、唱えられて人の耳に届くこと。人の心に痼として刻みつけられること。
私の出生とともに私たちは七人であったから、それが常態だと思いこんで私たちは育った。それが異質であることには、長じてから気づかされた。私たちと他者とはちがうのだ、と。
私たち自身を主題にして綴ることに、意義がある。それを自覚した私の心は躍った。詩的欲求をみたすべく、私はこの文を綴る。眠るあいだに詩句を練り、体に顕われて筆を執る。少しづつ少しづつ過去を省み積みかさね、いまを書きとめながら未来へと繋がる。
私のねがいはただひとつ。現世、もしくはのちの世に。この詩文が人の目に触れること、唱えられて人の耳に届くこと。人の心に痼として刻みつけられること。
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