概要
目を見張るほどの美貌なのに、破天荒すぎる自由闊達な令嬢・コレティア。
元老院議員、しかもシリア属州総督の地位にあるコレティアの父・ケリアリスから、娘を無事に首都ローマへ送り届けるよう、護衛を依頼された青年・ルパス。
じゃじゃ馬娘に手を焼きながらも、なんとかローマ近海まで船旅を続けてきたある日、二人はウェスウィウス山(現在のヴェスヴィオ山)の噴火に遭遇する。
時は紀元79年。若き新皇帝ティトゥスを迎え、ローマ帝国は平和を享受しているように見えたが……。
「ウェスウィウス山の噴火はアグニの呪いだ!」
という言葉を広言し、死んだ男。
殺人事件の謎を追ううちに、二人の前に現れたものは……⁉
過激すぎる美貌の令嬢コレティアと、彼女に振り回され
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!リアルな古代ローマの世界へようこそ
勝気で、手ならぬ脚が早いお嬢様コレティアと、なかなか縁が切れない不幸な護衛ルパスが織りなす謎解き冒険譚です。
高校の世界史の教科書には出てこないティトウス帝という古代ローマのマイナー皇帝の治世のこと。
ちなみにティトウスは山川の世界史用語集にも収録されていません。暴君ネロと五賢帝に挟まれて、扱いが不遇です。
それはさておき、
物語はポンペイを滅ぼしたヴェスビオス火山の噴火から始まります。
偶然ローマで遺体を見つけたことから事件に乗り出し、アレクサンドリア、アンティオキアと当時の三大都市を巡って旅する二人。
物語はコレティアの出生の秘密や、ルパスのトラウマもからむ一大陰謀につながっていき…続きを読む - ★★★ Excellent!!!帝政ローマを取り巻く陰謀、対峙するのは令嬢と護衛
ローマ史が好きな方なら、読むと良い。
ここにはローマの片鱗が確実にある。
主役である令嬢コレティアとその護衛ルパス
美貌の令嬢にして大の男を蹴り飛ばすじゃじゃ馬娘のコレティアは、作中の人物たちからは勿論、読者からも注目されるであろう。
だが、相棒であり護衛のルパスも負けてはいない、確固たる矜持を身に備えた男である。
この二人はそれぞれに持ち味があり、その掛け合い、洒落の利いた応酬は見ものだ。
また、帝政ローマの、或いは古代ローマの息吹を感じさせる描写は、作者自身の知識に裏付けされたもので、見事の一言に尽きる。
だから、重ねて言いたいのだ。
ローマ史が好きな方なら、是非に読むと良い。
そ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ローマの闇を、じゃじゃ馬娘が蹴り開くっ!
誰もが振り向く美貌の令嬢コレティアは、屈強な男をも蹴り倒すスーパーウーマンだった!
自分より強い男以外の言うことなど聞かないと豪語するコレティアに振り回される青年ルパスは、コレティアと共にローマに迫りくる陰謀を阻止すべく、文字通り東奔西走する!
ヴェスヴィオ火山の噴火という史実の事件から始まる一連の騒動は、かつてローマを揺るがした内乱の再燃となるか。
帝政ローマ時代の出来事や生活様式、それに文章の言い回しが実に見事で、まるで講談を読んでいるかのよう。歴史好きな人には強くお勧め! そうでなくても、コレティアとルパスの凸凹コンビが見ていて微笑ましく、主従恋愛好きにも強くお勧め! - ★★★ Excellent!!!重厚な歴史から綴られた、古代ローマに迫る謎を解き明かせ!
まずこの物語の特筆すべきところは、歴史背景がしっかりしていることです。
実際の歴史を元に独自の展開が繰り広げられ、知らず内にすっかり惹き込まれていきます。
知っている名前や地名ににやりとしたり、知っているのに驚きに満ちていたり。
様々な情報が入り乱れていく中、少しずつ真実に迫って行くこの妙が素晴らしいです。
そして、何より主役二人の関係性!
この、程よい距離感。この、テンポ良い粋な切り返し。
馴れ合いや甘々な関係ではなく、互いに徐々に認め合い、共に立ち向かっていく姿には一種の憧れさえ抱いてしまいます。
ルパスもコレティアも、それぞれのカッコ良さが際立っており、話が進むごとにその輝きが増…続きを読む - ★★★ Excellent!!!映画的セリフ回しがいいんですよこれ!
まず最初に言っておくが、俺はよく映画で見られる独特のやり取りってのが好きだ。比喩や揶揄がいりまじり、それだけで色んな空気が作られるような、そういう台詞が大好きだ。
そんな観点で見ると、この作品ではそれがよく出てるんだなぁ!ルパスとコレティア。この主人公とヒロインが織りなす台詞!お互い信頼していながらも、べた褒めとか依存とかしているんじゃなく、憎まれ口に近いながらもそれ一色じゃない!ここいらにぐっと来た!
失礼しました。
先に挙げた台詞や言い回しというものは一歩間違うと臭くなってしまい、途端に見る側が白けてしまうこともあります。そういう意味ではこの手法は非常にリスキーです。しかしそんな危険な…続きを読む - ★★★ Excellent!!!やだ……私の古代ローマ愛、少なすぎ?(作者さまと比較して)
勝ち気なお嬢様と雇われボディーガードの男が、とある殺人事件をきっかけにして、ローマ帝国に渦巻く陰謀に巻き込まれていく(というより、自分たちから突っ込んでいく)物語。
「謎解き活劇譚」のタイトルにふさわしく、殺人事件の捜査活動をしながら、時に本場ハリウッドも真っ青のアクションが展開されたりして、ヒロインがまさかの活躍を見せてくれます。
いや、ヒロインのコレティア嬢、ホントに凄い。
そこらの男性を尻に敷くほど強気な性格のお嬢様……ってだけなら、まあ結構よくある設定なんですが、なんとこのお嬢様、物理的にも強い。特に足技が凄い。
詳細は述べませんが、アン〇ェリーナジョリーやミ〇ジョヴォヴィッチ…続きを読む