映画的セリフ回しがいいんですよこれ!

まず最初に言っておくが、俺はよく映画で見られる独特のやり取りってのが好きだ。比喩や揶揄がいりまじり、それだけで色んな空気が作られるような、そういう台詞が大好きだ。
そんな観点で見ると、この作品ではそれがよく出てるんだなぁ!ルパスとコレティア。この主人公とヒロインが織りなす台詞!お互い信頼していながらも、べた褒めとか依存とかしているんじゃなく、憎まれ口に近いながらもそれ一色じゃない!ここいらにぐっと来た!

失礼しました。
先に挙げた台詞や言い回しというものは一歩間違うと臭くなってしまい、途端に見る側が白けてしまうこともあります。そういう意味ではこの手法は非常にリスキーです。しかしそんな危険などどこ吹く風と言わんばかりに、決して臭いわけではなく、それでいてうまく作品の中である種の空気を作る。お見事という他ないです。

またそれだけでなく、こちらの作品ではこれでもかとばかりに古代のローマの情景や世界観、知識が披露されています。生半可な取材では到底たどり着けないであろうその量は素人は驚くと思います。古代ローマ関係素人の私が「こりゃ絶対敵わんなぁ」と思ったんだから間違いないですはい。

映画的な空気を楽しむもよし、古代ローマの世界に浸るもよし。いろんな楽しみが得られるこちらの作品、どうぞ手に取ってご覧ください。

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