第36話 月夜の想い

こんな穏やかな月明かりの夜には

おまえの桜貝色した 優しい微笑みを想い出す


ふっくらとしたその唇が語る言葉は

どんな名詩人のものよりも

暖かく私の心にしみる


空に架かる月には

時に雲が覆うこともあるだろう


しめやかに霧雨が降り下りて

視界を遮らせることもあるだろう


だけど月は常にそらにあって

いつかまたその姿を見せてくれる それも必ずの約束のきずな


だからまた

今宵も月明かりを浴びてグラスをゆらし


優しいスキャットを耳にしながら

おまえの微笑みを想い浮かべよう



明日の夜明けもきっと私たちを祝福してくれる


その願いもまた成就されることを祈りながら…

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