第17話 行くあて亡くした月夜の星は

握りしめてた手のひらから

こぼれ落ちた記憶等を


拾い集めるかのように

目を閉じ闇夜を彷徨い歩く


星の影にも似た色をした

哀しい瞳で啼く少女


もう過ぎてしまったあの時の

二人の笑みを忘れようと

路地裏あてなく彷徨い歩く


月は十六夜躊躇い月と

誰が呼びにし寒空に


消えてしまったあの日の愛と

言づてばかりが夢うつつ


行くあて亡くした月夜の星は


彼の日彼の夜に微笑みし

少女の額に影落とし


流星となりいずこへと


去りて夢の一夜なれ


再び目覚めるその日まで

眠れやすらかにその日まで

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