第2話 月光

すべらかな 絹の肌にも似た

オパール色した月の夜に


君と出掛けた夢を見た


目覚めれば一人


薄いシーツを剥がし 軽く煙草を吸い

コーヒーを飲む



君のいない夜にすっかり慣れてしまったが

あの月明かりだけが想い出を誘う



それでも風は優しく肩を撫で

新緑のみずみずしい香りを運ぶ



君のいない夜に私はレコードに針を落とし

軽く身体を音楽に任せて揺らす


オパール色の月はそんな私を見つめ、

そして彼方の君をも照らすだろう


姿、満ち欠けする月は


あの若いイタリアの娘が語ったように、

君の気持ちをすり減らすでもなく


ただ、やはらかなまなこに宙をめぐり続ける



そうだ、月はいつだって丸い


そんな言葉をつぶやきながら


再び眠りに落ちる私の頬には

信頼と言う微笑みが躍る

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