概要
類まれなる美貌と美声故に自由に生きることが叶わず、辱めを受けた末に非業の死を遂げた母を持つ少女・リーリヤは、自分の意志で公衆便所で自活している。
ともに美しかった両親の秀でた形質を引き継ぎ、齢十にして既に美しい貌を持つ子供であるリーリヤは、母親と同じ目に遭わないために「臭くて汚く恥ずかしい、便所暮らしの浮浪児」として生きながら、街のヤクザものの使い走り等といった荒っぽい勤労と蓄財に励んでいた。
一人で生き延びるに十分な財産を手に入れ、生まれ育った街で誰にも煩わされずに自活するのがリーリヤの目標だったのだが、成長とともに美貌は隠すのは難しくなり、ついには街の暗部を支配する有力者の前で美しく着飾らねばならなくなっ
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!世界の片隅では愛を叫べない
ゆえにここより外に出、世界の表舞台で歌う。世界の片隅で私を見つけた人のために。
中華スラムの浮浪児のお話、かと思いきや、がっつりSF要素が入ってくるヘビーな世界観の百合です。
主人公は両親を殺されて街のゴロツキとして生きる女の子、彼女は母親譲りの美貌と歌声をひた隠しにして生きていくことを誓っていますが、ひょんなことからとある『児童施設』の少女と出会い、その運命を大きく変えることになります。
中華系スラム、謎の侵略者に襲われる近未来、そこで生きている主人公や彼女の周りの人々。どれをとっても素晴らしい描写力で、まるで映画を観ているような感覚に陥ります。ほのかな感情をにおわせるのではなく、バチバ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!便所から這い上がったある少女の生き様を描いたエモーショナル百合小説
非常に楽しませていただきました。
一言でまとめるなら、「中華系スラム街魔法少女百合」と言ったところでしょうか。ここでいう魔法少女は、人が死ぬタイプのやつです。
世界観、キャラクター同時の人情劇、そして彼女らが住む世界の匂いが漂ってきそうな表現力。そして何と言っても小説そのものの構成力でしょう。これは最後まで読んでいただいて、この作品から溢れ出るエモーショナルを味わってほしい。
自分の置かれた境遇にただ受動的に立ち回るしかなかった少女が、過酷な試練を乗り越えてついに相棒を見つけ、世界の表舞台へと旅立つ。
そして彼女らがどのような思いで最期を迎えたのか、読者はあくまで断片的な情報しか与えられな…続きを読む - ★★★ Excellent!!!少女たちは、自らの意志で、生き方を選んだ。
十歳のリーリヤは、公衆便所を住処とする浮浪児。
美男美女の両親をマフィアに殺された彼女は、
自らの美貌はいずれ災いとなると理解していた。
外国人の少女との出会いが、運命を変える。
外世界から侵略者が襲ってくる近未来。
対抗できるのは、ワルキューレ因子を持つ少女たちだけ。
……の、はずだった。
別作品(連載中)のスピンオフなので、
この数年後のリーリヤの姿は知っています。
あっちの彼女の喋り方はイライラしますが(笑)。
頭が良くて強かで、どんな汚い手を使ってでも、
自分の生きる道を自分で切り拓いていける少女は格好いい。
十歳でここまで賢くならざるを得なかった生い立ちは不幸ですが、
自分が選…続きを読む