病室で寝たきりの夫と窓から見える花火のお話です。花火の音と病室が上手くストーリー立てられてて、さすがでした。切ないです。これからは、花火を見たら、この話を思い出そうと思います。
作者様の作品に触れたのは、ほんの少し前なのに、自分の描きたかったものを既に五年以上前に完成されている気がいたします。私も家族愛を根底に描いております。この御作、『窓越しの花火』、思いのたけが想い出に変わってしまわない内に、ゆるやかでありながら、時の住処を感じさせられます。ああ、自分の人生で、色んなシーンを思い出させてくれます。とても感動的なご夫婦のある生き方に、生命力を感じたのは、私だけではないはずです。そして、楽しい想い出の見え方が四角いものになるのでしょうね。長く、生きてください。秀逸な作品に出逢えます。
病院で夫を毎日見舞う、妻の物語。この夫婦は老夫婦であり、夫は意識がない。 まるで月日にも、場所的にも、置き去りにされたような病室に、妻は見舞う。 窓の外は雨。 だが妻が帰ろうとした時、懐かしい花火の音が聞こえた。 夏の日の思い出。幼い孫娘と、西瓜、線香の匂い。そして元気な夫。 皆で見たのは、夜空に咲く大輪の花。 しかし、病室では、やはり雨が降っていて、花火もビルで隠れてしまう。 空耳だったのか? 願望が錯覚を起こしたのか? 病室の静けさと、夏のきらきらした思い出の対比が見事な作品。 是非、御一読下さい。
ヒュー、パン、パラパラ……花火を思い浮かべると、そんな音が聞こえてきます。この物語に耳を澄ませば、きっと花火にそっくりな音が聞こえるに違いありません。
淡々とそこにある現実が描かれている中で、ふとした拍子に蘇る在りし日の楽しかった思い出。彼女が耳にした花火の音は、本物だったのか、それとも、似た音が聞こえたことにより追憶にふけっただけなのか('ω')生命維持装置の音が何とも儚い(´・ω・`)
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