不幸自慢

作者 陽澄すずめ

82

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★★★ Excellent!!!

母親の愛情を欲するがゆえに、少女の一つの線をこえた生き様を描いています。

不幸自慢だけではなく、幸福自慢も見え隠れする、人の業がありありとし、秀逸な作品だと思います。

今の世の中、ありそうで一歩踏み込めるか否かの世界観がリアルだと感じました。

胸が痛くなりました。

作者様の筆致に気圧されるように読めます。

ぜひ、ご一読ください。

★★★ Excellent!!!

 体を売りながらも、高校に通い、家に帰るという主人公。母は男を家に連れ込み、いつも主人公を邪魔者扱いした。学校でも主人公は浮いた存在だった。そんな中、久しぶりに登校した学校で、委員長に休んだ分のノートを渡される。しかしある日、主人公が体を売っている際の写真が教室に貼り出されていた。主人公はネットに写真をアップした男の名刺をとりに家に急ぐが、そこで信じられない仕打ちが待っていた。
 自分は果たして死んでいるのか、生きているのか。
 高校の屋上で、主人公が目にしたもの。それは――。
 「人の居場所」と聞くと、「場所」を考えてしまう。おそらく「家」や「学校」、もしかしたら「会社」かもしれない。でも、それは違うのだ。「家」には「家族」がいて、「学校」には「友達」がいて、「会社」には「仲間」がいる。だから人の居場所になりえるのだ。つまり、人が居場所と思う時、そこにいる人々がその人の居場所になっているのだ。

 人の距離や機微を描くことに長けた作者様の作品。
 本作でも心を抉られました。

 是非、御一読下さい。

★★★ Excellent!!!

 この物語は前日譚ということらしいが、とりあえず前日譚の範囲においては、救いがない。というよりも救いようがない。ろくでなしの母親、その恋人、底辺高校、クラスメイト、売春相手、取り巻く環境全てにしっかりと毒された彼女には、その境遇からまっとうに抜け出す術も発想も持たない。故に閉塞。きっと彼女はこれからも救われることがないのかもしれない。
 だが、彼女が憐憫の眼差しに対して抱く確かな憤りは、彼女の尊厳として尊重されるべきなのだろう。それは彼女が自身を見捨てていないという証左なのだから。
 これ以降も気になる小説だった。

★★★ Excellent!!!

ひとこと紹介に全てが込められています。

主人公を取り囲む全ての環境、人があたかもその道を誘導しているかのような救いの無さ(´;ω;`)

スカッとする展開は一切ありませんが、主人公に降り掛かる数々の悪意……続きが気になって最後まで読んでしまうこと間違いなしです!

あなたは主人公に同情しますか?
それとも……?