タロットカード占いをテーマにしたミステリ作品です。日常に潜む様々な謎を解決すべく、高校生が学校中を駆け抜ける青春ミステリ。消えた絵の行方は? 復活した落書きの正体は? 縁を切りたいっていう相談はどういう意図で? こうした様々な謎を主人公、サキと、その先輩であるヒダカ先輩が解決していきます。
……なんて書くと、サキちゃんとヒダカ先輩は良好な関係みたいに思われるかもですが。
ヒダカ先輩は最初、サキちゃんに対して冷たく出ます。高校のオカルト研究部に入り、タロット占いを学びたいサキちゃんは入学してからオカルト研究部の部室に向かうのですが、そこで会ったのはとんでもない偏屈部長ヒダカ先輩。
「入部は認めん。オカルト研究部は廃部にする」
そう頑ななヒダカ先輩に対してサキちゃんは懸命に喰らいついて行きます。どうにかこうにか先輩を占って、先輩に実力を認めさせて、オカルト研究部の入部を認めてもらって、廃部の危機から脱却して。そんなたくさんの目標をサキは追います。
かくして先述のような、学校中にあふれる謎を追いかけるサキなのですが、やはりなかなかうまくいきません。しかしそんな彼女には力強い味方がいます。
そう、タロットカードです。
サキは占いで事件解決に関する「導き」を得ます。これがなかなか巧妙で、「確かにそういう解釈もできるよな」というラインを突いてくる。そう、この「解釈」という要素こそが本作の重要なポイントです。
例えば仕事でミスをしたとします。立て続けに三件のミス。普通の人なら「やらかした……」となりますが、ここで見方を変えたらどうでしょう。
「九十七点だな」
こう捉えたら、「何だ悪くないじゃん」って思えませんか?
タロットカードの占いにもそうした側面があります。一見すると何だか悪そうなカードを引いたとしても、占い師や、占いを受けている人間側の直感や感想、観察を元に「いいように」解釈していくことができるのです。そしてこの「いいようにした解釈」を決して都合がいいものとしないのがタロット占い。それは導きだと考える。
「悪魔」。一見すると悪そうな、凶兆そうなこのカードも、捉え方によっては吉兆になり得る。
ちょっと見ただけでは悪そうな流れも、捉え方を変えればよい方向に行っていると思える。
そんな気づきのある作品です。
あなたは日常の中で「アンラッキー!」と思うことはありませんか? 「ついてねー」「サイアクだー」しかしそんな経験も、見方を変えれば「ラッキー!」「ついてる!」「サイコー!」になるとしたら。それって素敵なことじゃありませんか? どんな不運も幸運に捉える。それって最強で最高じゃありませんか?
「解釈」というテーマについて考えさせられる作品です。
そして、ミステリとしての完成度もとても高い。青春要素もバッチリ、甘酸っぱさあふれる高校生同士の人間関係も本作の魅力。
青春×ミステリ×タロット占い。
あなたも自分の運勢の捉え方、変えてみませんか?
高校に入学した成沢咲希ちゃんの向かった先は、オカルト研究部の部室。
去年この学校の文化祭を訪れた咲希ちゃんは、オカルト研究部の人にタロット占いをしてもらい、運命が変わった。そんなタロット占いを、咲希ちゃん自身も学びたいと思っていたのです。
ところがいざ行ってみると、オカルト研究部は廃部寸前。唯一いた先輩も、咲希ちゃんの入部も認めないという有様でした。
それでも食い下がる咲希ちゃんに先輩が出した条件は、咲希ちゃんが実際にタロット占いをしてみること。
そうして咲希ちゃんはオカルト研究部に相談にやってくる人たちをタロットで占い、相談内容の裏に隠された真実を解き明かしていくという占いミステリー。
占いなんてよくわからないという人もいるかもしれませんが、タロット占いには不思議なスーパーパワー的なものはいりません。
必要なのは、引いたカードを直感的に読み取る力。カードの持つ意味や絵に書いてあるものを自分の感性を含めて、何を表しているのか考える。
解釈なんてのは人それぞれなので、同じカードでも見る人によって占いの結果は変わり、そういう意味ではスーパーパワー的なものよりもさらに個人の感覚に左右されるのかもしれません。
だからこそ、占いを通して見えてくる、咲希ちゃんの考えに、相談者たちの思い。
占で、より良い未来に運命を変えたいと思う咲希ちゃんが、どんな風にカードを読み解くのか。相談に来た人たちとどう向き合うのか。
そして咲希ちゃん自身が、オカルト研究部の廃部という運命を変えることができるのか。
占いの力を信じる咲希ちゃんの活躍が始まります。
高校生になった主人公の成沢咲希ちゃんには、やりたいことが。
それはオカルト研究部に入って、タロット占いを学ぶこと。
去年高校の文化祭を訪れた際、タロット占いをしてもらったことで強く興味を持った咲希ちゃん。
自分もあんな風に、タロット占いができるようになりたい……と思っていたのに。
現在オカルト研究部は3年生の男子の部長しかおらず、しかも部長はオカルト研究部を廃部にするから新入部員は受け付けないとのこと。
けど、そんなこと言われても納得できません!
そこから咲希ちゃんと部長との、入部とオカルト研究部存続をかけた勝負が始まるのです!
オカルト研究部には学校内で発生する事件やトラブルなど、様々な相談が持ち込まれます。
それをタロット占いで、ビシッと解決!
オカルトパワーで何とかするのではなく、タロットカードから読み取れる情報で真実を探る、ミステリー要素の強い本作。
タロットカードの解説が非常に面白く、読んでいると事件の真相が気になると同時に、タロットカードの魅力に引き込まれていきます。
そんな魅力溢れるタロットカードを、やっぱりオカルト研究部で学びたいですよね。
はたして咲希ちゃんは入部して、オカルト研究部を存続させることができるのか?
タロットカードによる、謎解き青春ミステリー。
咲希ちゃんや部長たちの、苦くも尊い青春を、ご堪能ください。