第1話空の空、空の空、いっさいは空である

第2話日の下で人が労するすべての労苦は、その身になんの益があるか。

第3話世は去り、世はきたる。しかし地は永遠に変らない。

第4話大自然の摂理

第5話すべての事は人をうみ疲れさせる、人はこれを言いつくすことができない。

第6話先にあったことは、また後にもある、先になされた事は、また後にもなされる。日の下には新しいものはない。

第7話前の者のことは覚えられることがない、また、きたるべき後の者のことも、後に起る者はこれを覚えることがない。

第8話伝道者であるわたしはエルサレムで、イスラエルの王であった。

第9話わたしは日の下で人が行うすべてのわざを見たが、みな空であって風を捕えるようである。

第10話曲ったものは、まっすぐにすることができない、欠けたものは数えることができない。

第11話わたしは心の中に語って言った～

第12話「さあ、快楽をもって、おまえを試みよう。おまえは愉快に過ごすがよい」と。しかし、これもまた空であった。

第13話わたしは笑いについて言った、「これは狂気である」と。また快楽について言った、「これは何をするのか」と。

第14話心は知恵をもってわたしを導いているが～

第15話わたしはまた、身をめぐらして、知恵と、狂気と、愚痴とを見た。

第16話光が暗きにまさるように～

第17話そもそも、知者も愚者も同様に長く覚えられるものではない。

第18話そこで、わたしは生きることをいとった。

第19話わたしは日の下で労したすべての労苦を憎んだ。

第20話今ここに人があって、知恵と知識と才能をもって労しても

第21話そもそも、人は日の下で労するすべての労苦と、その心づかいによってなんの得るところがあるか。

第22話人は食い飲みし、その労苦によって得たもので心を楽しませるより良い事はない。

第23話天が下のすべての事には季節があり、すべてのわざには時がある。

第24話殺すに時があり、いやすに時があり、こわすに時があり、建てるに時があり、

第25話泣くに時があり、笑うに時があり、悲しむに時があり、踊るに時があり、

第26話石を投げるに時があり、石を集めるに時があり、抱くに時があり、抱くことをやめるに時があり、

第27話捜すに時があり、失うに時があり、保つに時があり、捨てるに時があり、

第28話裂くに時があり、縫うに時があり、黙るに時があり、語るに時があり、

第29話愛するに時があり、憎むに時があり、戦うに時があり、和らぐに時がある。

第30話働く者はその労することにより、なんの益を得るか。 ～

第31話わたしは知っている。人にはその生きながらえている間、楽しく愉快に過ごす　よりほかに良い事はない。

第32話わたしは知っている。すべて神がなさる事は永遠に変ることがなく、～

第33話今あるものは、すでにあったものである。～

第34話わたしはまた、日の下を見たが、さばきを行う所にも不正があり、公義を行う所にも不正がある。

第35話わたしは心に言った、「神は正しい者と悪い者とをさばかれる。～

第36話わたしはまた、人の子らについて心に言った、「神は彼らをためして、彼らに　自分たちが獣にすぎないことを悟らせられるのである」と。 ～

第37話だれが知るか、人の子らの霊は上にのぼり、獣の霊は地にくだるかを。

第38話それで、わたしは見た、人はその働きによって楽しむにこした事はない。

第39話わたしはまた、日の下に行われるすべてのしえたげを見た。～

第40話また、わたしはすべての労苦と、すべての巧みなわざを見たが、～

第41話愚かなる者は手をつかねて、自分の肉を食う。～

第42話わたしはまた、日の下に空なる事のあるのを見た。～

第43話ふたりはひとりにまさる。～

第44話またふたりが一緒に寝れば暖かである。～

第45話貧しくて賢いわらべは、老いて愚かで、もはや、いさめをいれることを知らない王にまさる。 ～

第46話わたしは日の下に歩むすべての民が、かのわらべのように王に代って立つのを　見た。 ～

第47話神の宮に行く時には、その足を慎むがよい。

第48話神の前で軽々しく口をひらき、また言葉を出そうと、心にあせってはならない。

第49話夢は仕事の多いことによってきたり、～

第50話あなたは神に誓いをなすとき、それを果すことを延ばしてはならない。